2016 Fiscal Year Research-status Report
障害をもつ高齢者の「学習」支援プログラムの費用対効果に関する検討
Project/Area Number |
16K04583
|
Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
藤原 瑞穂 神戸学院大学, 総合リハビリテーション学部, 准教授 (90269853)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀 薫夫 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (60173613)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 生涯教育 / 高齢期 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度の研究は,以下の3つの柱から行った. 1.障害をもつ高齢者の学習ニーズの検討:前年度に調査を実施していた大阪府高齢者大学校受講者を対象にしたデータより,高齢期の学習ニーズを主観的健康感の違いに注目して再分析した.非健康群81名と健康群1159名の学習ニーズを,数量化Ⅲ類の手法を用いて布置構造を算出して検討した結果,非健康群に「歴史」「文学」「時事問題」などと親和性が強いことがわかった.また,非健康群の「歴史」「文学」「時事問題」の対極には健康問題や医療・保険・福祉問題があった.これらは、非健康群にとってはすでに生活から切り離すことができない避けがたい課題になっている可能性があることを示した. 2.障害をもつ高齢者の生活の立ち現れ方,とりわけ「家で平和に過ごす」ということについての検討:脳血管障害を発症した70代後半の妻と二人暮らしを営む男性の生活経験を,現象学を手がかりに記述した.家のなかの「平和」を築くという作業は,「セルフ・コントロール」が基盤にあった.それは,少し引いて事象をみて「ふわ~」と感じて反省して生きることであり,妻との「思いの差」を受け止め,「かみついて反論」しないように,また妻に配慮する形として現れていた.このような他者への配慮が生活の基盤にあることは,学習支援プログラムの研究参加者を理解していく上で,重要な視点である. 3.フィールド調査:研究を実施する候補場所を検討するために,神戸市の地域拠点型一般介護予防事業を見学した.現在も継続中である.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
地域拠点型一般介護予防事業を対象に,研究フィールドの選定を行っている.選定に時間を要している.研究フィールドの内諾を得た後に,倫理委員会に申請する予定である.また,研究フィールド決定後に,対象者ならびに研究支援者とともにプログラムを作成していく予定である.
|
Strategy for Future Research Activity |
6月頃までには,研究フィールドの選出を終え,倫理委員会に研究計画を申請する.研究フィールドが決定した後に,学習支援プログラムを作成していく.事前準備を行い,9月頃には学習支援プログラムを開始する方針である. 費用対効果を検証するための尺度については,共同研究者ならびに研究支援者と再確認していく予定である.
|
Causes of Carryover |
研究フィールドを決定して調査研究に入る予定であったが,研究フィールドを決定するには至らなかったので,旅費等について次年度使用額が生じた.
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究フィールドを決定して,具体的な介入研究を行う予定である.
|