2017 Fiscal Year Research-status Report
障害をもつ高齢者の「学習」支援プログラムの費用対効果に関する検討
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16K04583
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
藤原 瑞穂 神戸学院大学, 総合リハビリテーション学部, 准教授 (90269853)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀 薫夫 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (60173613)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 高齢者 / 学習 / 障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,高齢者大学受講者の,高齢者大学の受講と医療機関への受診行動との関係を検討した.分析対象者846名のうち高齢者大学に参加することの効果として「病院や診療所に行く回数が減った」と回答した者は11名で全体の1.3%であった.内訳は,男性8名,女性2名,未回答1名,年齢は64~77歳(平均年齢70.29±4.7歳)で,全員が介護認定を受けておらず,自覚的健康状態は「非常に健康」45.5%,「どちらかといえば健康」45.5%,「あまり健康ではない」9.1%であった.要介護認定を受けている者は18名で全体の2.2%であり(要支援1,2が13名,要介護1,2は4名,要介護3以上が1名,平均年齢74.9±6.0歳),「病院や診療所に行く回数が減った」と回答したものはなかった.この結果から,学習活動への参加による受診行動の変化は,介護認定を受けている層よりも比較的健康な層に見られることが推測された.この結果は全国学会で報告する予定である. 次に,介護予防事業に参加している高齢者の,学習プログラム(世代間交流,口腔ケア,認知症予防,手工芸等)に参加することによる変化について追跡調査を行った.参加者は10名で,全員が何らかの健康上の課題を抱え,介護保険サービスを利用している者は5名であった.6ヶ月間の変化は,SF36の下位項目「身体機能」「日常役割機能」「全体的健康感」「社会生活機能」「心の健康」の平均値は1回目よりも2回目で高値を示し,「体の痛み」「活力」は低下していたが,「利用している介護保険サービス」「生活行為の遂行状況」などを含め,統計学的な変化はいずれの項目も見られなかった.今後は,さらに6ヶ月間の追跡を行い,1年間の学習プログラムによる効果を分析する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
介護予防事業所への研究協力について,1施設が途中でキャンセルとなり,予定より対象者数が減となっている.
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Strategy for Future Research Activity |
介護予防事業に参加している高齢者の,後半6ヶ月の追跡調査を行う.参加者数の確保が課題となる.参加者数が少ない場合,個別の質的データで補完する予定である.
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Causes of Carryover |
研究協力施設に謝金を支出する予定であったが,「謝金」ではなく「その他」の経費から支出したために,「謝金」に繰り越し金が発生した. 研究協力者への支払いを計画し,経費を計上していたが,研究協力施設責任者との話し合いにより,運営上の都合から,個別の支払にかえて,データのとりまとめに係る施設負担などに対する費用として支出した.今年度も施設の協力に対する必要経費については謝金を含めて施設と話し合い,支出する予定である.
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