2016 Fiscal Year Research-status Report
大学におけるキャリア教育等が卒業後の就業に与える影響に関するコホート研究
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16K04593
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
安保 英勇 東北大学, 教育学研究科, 准教授 (50250650)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
猪股 歳之 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 准教授 (60436178)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | キャリア教育 / 早期離職 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は若年労働者の早期離職などのキャリア上の諸問題に関して、大学時代の諸経験から説明し、キャリア教育への提言などを目的とするものである。本年度は大学におけるキャリア教育と早期離職に関して文献研究を行った。 「大学」&「キャリア教育」でCiNiiで検索を行うと2500余の論文が抽出される。発行年別に見ると、20世紀中は年間一桁の報告であるが、2000年代半ばより報告が増え、2006年以降は常に3ケタ台の報告数があり、非常にポピュラーなテーマとなっていた。しかしながらその大半は、キャリア教育の実践報告であり研究報告は数少なかった。研究報告の中でもキャリア教育の効果に注目したものは、事前事後のキャリア意識の測定が主であり、長期的測定となっておらず、卒業後のキャリアそのものに注目することが重要と思われる。 「早期離職」に関しては、文献検索では120件ほどヒットはするものの、実際の早期離職に関して扱った研究は極めて少ないことが明らかとなった。また、その中で報告例が多い職種は、看護、介護、保育等のヒューマンサービスに偏る傾向があった。しかし、実際の離職率はこれらの業種では全産業の平均と大差なく現実の早期離職の全体像を描くためには、より広範な職種について調査する必要性が示唆された。また、早期離職を導く要因については、(1)給与・労働時間・人間関係などといった職場ストレス、(2)業種や会社規模といった職場属性、(3)就職活動期間や学生時代の活動性、キャリア教育などの大学時代の経験、の3点に集約される。(1)(2)は入職後の要因であり、研究例もこれらに分類されるものが大半を占めているが、これらに関しては厚労省などによる公的な調査が比較的充実しており、また、早期退職の早期予防という観点からも大学時代の諸経験に一層注目することの重要性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
H28年度に実施する予定であった調査が調査方法に関して検討を要しているため、いまだ未実施である。
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Strategy for Future Research Activity |
H28実施予定であった調査を5月中に行う。H29年度以降に関しては、計画通り行う。
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Causes of Carryover |
調査内容、方法に検討を要すべき事項が生じ、年度末に実施予定であった調査が未実施のため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度前期中に実施する
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