2017 Fiscal Year Research-status Report
大学におけるキャリア教育等が卒業後の就業に与える影響に関するコホート研究
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16K04593
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
安保 英勇 東北大学, 教育学研究科, 准教授 (50250650)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
猪股 歳之 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 准教授 (60436178)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 人生キャリアレディネス / キャリア教育 / 大卒者 / 大学生活の取り組み / 就職活動に対するお保護者のかかわり |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年3月に4年制大学を卒業した1096名を対象にリサーチ会社に委託しweb上でのアンケート調査を行った。質問項目は、1)フェイスシート、2)業種と雇用形態、3)就職活動の概要と満足感、4)キャリア教育の有用感、5)大学生活の過ごし方、6)就職活動に関しての保護者とのコミュニケーション、7)入学時の人生キャリアレディネス(回想)、8)現在の人生キャリアレディネス、9)ソーシャルスキル、10)基本的パーソナリティ、11)精神健康度であった。 主な従属変数は、上記の内、8)現在の人生キャリアレディネスおよび、8)-7)すなわち卒業時と入学時の人生キャリアレディネスの変化であった。 相関分析を行ったところ、8)の3因子全てに対して有意な正の相関を示した変数は、5)-2「就職活動関係」(r=.273~.292)5)-3「アクティブラーニング型授業」(r=.226~.292)、9)ソーシャルスキル(r=.377~.451)であり、キャリア教育により、キャリアレディネスを高めうることが示唆された。このほか、5)-1「授業全般」5)-4「プライベート」、6)-1「相談関係」、10)基本的パーソナリティ、11)精神的健康度なども部分的に人生キャリアレディネスとの有意な相関がみられた。 従属変数の2つ目の人生キャリアレディネスの変化に関しては、6割強の者が増加しているが、有意な関連を示した変数は、10)基本的パーソナリティの「協調性」(r=.216~.262)のみであり、変化に影響する要因は明確にならず、一層の精査が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
調査の時期が平成30年の3月末から4月初めとなり、年度をまたぐ結果となり、やや遅れている。 本研究はコホート研究であり、同一対象に繰り返し調査を行うものである。調査を重ねるうちに、対象者が脱落する恐れがある為、調査に関して念入りに調整を行った結果、遅れが生じた。具体的にはリサーチ会社3社から見積もりを取り、モニター数の多寡、30年度以降の調査におけるインセンティブの程度などを比較検討し、研究が完遂できるよう図った。
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Strategy for Future Research Activity |
30年度の2月に及び31年度の2月に、今回の調査対象者に対し調査を行う。調査内容は調査時点での就業状況・転職の有無、職場環境、職業モラール、人生キャリアレディネスなどである。脱落者を極力少なくするために、予算を見ながら、インセンティブを調整する。 30年度より学会報告論文執筆を行っていく。
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Causes of Carryover |
平成29年度内に実施予定の調査が、年度末の実施となったが、より多くのデータを収集するため、年度を越えてからも継続され、次年度使用額が大きく膨らんでいる。この調査は完了しており、支払いについては本年の4月の中~下旬に行う。 今後の使用計画としては、平成30年度の調査で及び学会出張などで使用する。
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Research Products
(1 results)