2017 Fiscal Year Research-status Report
身近な知的財産に着目したものづくり学習のための教育実践学研究
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16K04694
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
阿濱 茂樹 山口大学, 教育学部, 准教授 (00361973)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鷹岡 亮 山口大学, 教育学部, 教授 (10293135)
村田 育也 福岡教育大学, 大学院教育学研究科, 教授 (80322866)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 知的財産教育 / 学校教育 / 内的状態 / 学習モデル / 教材開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
AI時代を生きる生徒に必要と考えられるイノベーションする能力を養い,主体的な学びを支援することを目的に身近な知的財産に目を向け,自ら工夫する態度を身に着ける学習モデルやカリキュラムの検討と学習教材の提案を試みた。 その一環として知的財産教育に関する学習者の内的状態を把握するために中学生を対象にした意識調査を実施し,知的財産に対する知識や意識の関連について分析を行った。その結果,生徒は著作権に関する学習をしており,情報社会で適切に行動するための知識をある程度は身に着けている傾向が見られることが明らかになった。また,著作権に関する意識についても他人の権利を守るという考えをもっていることが明らかになった。産業財産に関する知識は低調であるものの,自分や他人のアイデアに対する敬意については,意識をもっていることが明らかになった。このことから,著作権に関する学習指導は学校教育で浸透しているものの,産業財産に関する学習指導について推進を行う必要があることが明らかになった。 それらの知見を踏まえて,学校教育における知的財産の学習モデルとカリキュラムの検討を行い,合わせて学習教材の開発を行った。 学習教材の開発では,学習者の意欲向上を目的に日常生活で頻繁に接する文房具などを中心に工夫されている点を指摘し,さらなる問題解決に挑む姿勢を重視した。また,創造性開発にも力点を置き,豊かな発想力を養う学習指導モデルを検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
知的財産教育に関する学習者意識の把握を試み,アンケート調査を実施した。それらを集計,分析して知的財産教育に対する生徒の意識の概要について考察を行った。また,学習教材の開発を継続的に行い,身近な素材を用いた創造性開発教材を5種類開発した。 それらの成果報告として学会発表を1件,国際会議における発表(論文投稿)を1件,国内学会への論文投稿(査読)を1編行った。 また,分担者を含む共同研究者が参加する研究会において得られた知見を話題提供し,ディスカッションの材料にするとともに,学習カリキュラムの検討などを協働して取り組んだ。 本研究で得られた知見のうち,学習カリキュラムや学習モデルの検討は,文部科学省研究開発校に指定された山口大学教育学部附属山口小学校の教育実践研究にも活かされている。
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Strategy for Future Research Activity |
学校教育における知的財産教育の効果的な推進を試みるために,創造と利用を総合的に学ぶ教育実践を行い,研究の総括を試みる。 具体的には,前年度までに開発した教材に,研究協力校の実態に即した改良を加え,有用性の向上を図る。
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Causes of Carryover |
教育実践研究を進めるための実践について,学校の実情に合わせて遂行しているため,教育実践のための教材資材と記録用ビデオカメラ等を次年度に購入することとなった。
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Research Products
(3 results)