2018 Fiscal Year Research-status Report
工具を操作する技能が「型」から「巧緻」に至る過程の解明と指導法の開発
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16K04699
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Research Institution | Fukuoka University of Education |
Principal Investigator |
有川 誠 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (50325437)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ドライバー / 技能 / 巧緻性 / 実践調査 / 技能指導法 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は,ドライバー操作技能指導法の開発を目指す研究の最終段階として「技能測定ドライバーシステム」を用いた中学生に対する技能実践結果を基に,技能指導法の開発(「指導の要点」の纏め)を行った。ドライバー技能指導の要点として,指導場面で生徒に伝えるべき(それにより操作の改善が期待できる)示唆が次のように纏められた。 【両手及び片手での操作に共通する示唆】柄を利き手で上から被せるように握り,脱落しない程度の「押す力」と,ねじを回せる程度の「回す力」を加える。利き手はねじの固さ(回す力に対する抵抗)に応じて適宜持ちかえ,できるだけ同じペースで回す力(押す力)を加える。 【両手での操作に対する示唆】支え手は,柄の下部または軸に添え,軸が真っ直ぐ(垂直に),ぐらつかないように支える。利き手持ちかえの際も(軸がずれ・ぶれないよう)支える。 【片手での操作に対する示唆】片手では(支える手がないため)軸のずれ・ぶれが起きやすい。回す力(押す力)を加える際は,軸が真っ直ぐ(垂直に),ぐらつかないよう意識して,特に回す力を意識して強めに加える。 これらの成果を平成30年8月に開催された「日本産業技術教育学会・全国大会(信州大学)」において「技能測定ドライバーシステムを用いた中学生の巧緻性評価」という演題でその概要を発表した。さらに9月に「技能測定ドライバーシステムの開発と中学生の巧緻性評価」という題目で日本産業技術教育学会誌への論文投稿を行った。当論文は平成30年度中に査読を終え,平成31年度中に掲載予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成30年度までに,ドライバーを操作する技能が「型」から「巧緻」に至る過程の解明と指導法の開発を行い,それらを研究論文として投稿し終えたので研究は順調に進展した(当初の研究計画はほぼ達成された)と言える。ただ,研究論文については学会の編集計画状況により平成30年度中の雑誌掲載は間に合わなかった。(現在は「投稿中」の取り扱い。)これにより,論文掲載費用の支出が平成31年度になると見込まれるため,平成31年1月17日に「科学研究費補助事業(学術研究助成基金助成基金)補助期間延長」の申請を行い,平成31年3月20日付で承諾を得た。
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Strategy for Future Research Activity |
「現在までの進捗状況」に記載したように,過去3ヶ年で研究は順調に進行したが,更に研究を精緻化するには,開発した技能指導法を中学生対象に実践し,指導法(指導の要点)の妥当性・有効性を確かめることが必要と思われる。平成31年度(延長した最終年度)はこの実践調査,学会での成果発表,研究論文としての纏めを行い,本研究の最終目標である「技能指導法の開発」を確かなものにしたい。
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Causes of Carryover |
(理由)「7.現在までの進捗状況」に記載したように,平成31年度中に「投稿中」研究論文の論文掲載費用(40,000円を予定)が平成31年度中に見込まれる。また「8.今後の研究の推進方策」に記載したように,研究精緻化のための「指導法(指導の要点)の妥当性・有効性を確かめる」実践調査・学会発表・研究論文としての纏めを行う予定である。この予算確保のため「補助期間延長」の申請を行い,次年度に使用額を繰り越した。 (使用計画)「投稿中」論文の論文掲載費用,実践を行う協力中学校への旅費,研究成果発表(日本産業技術教育学会・全国大会<静岡大学>)の旅費,研究成果の論文投稿費用等に使用する予定である。
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Research Products
(2 results)