2016 Fiscal Year Research-status Report
中高理科教育に「プラズマ」は導入できるのか?その有用性を見極める実践的研究
Project/Area Number |
16K04704
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
岩切 宏友 琉球大学, 教育学部, 教授 (80325480)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉尾 幸司 琉球大学, 教育学研究科, 教授 (20433089)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 理科教育 / プラズマ / 科学教育 / 核融合 / アクティブラーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
まず、「プラズマ」を含む科学用語に関する知識調査を沖縄県内のA中学校第二学年生徒152名を対象として実施したところ,83 %の生徒がプラズマを認識しており,ビッグバン(68 %)やセラミック(58 %),半導体(35 %)等を大幅に上回っていた.しかし,プラズマの科学的意味を多少なりとも理解できていると答えた生徒は8.5 %であった.これは,各種メディアにより「プラズマ」という言葉が先行して広まっているからと考えられる.次に,中学校理科における主要5社の教科書中からプラズマに関する科学的事象を網羅的に抜き取り,プラズマを使用した表現へとの変換を実施したところ,それほど矛盾無く言い換えることができた.この結果を現職の中高理科教員やプラズマを専門とした研究者に評価していただくためのたたき台として、教科書を修正するための素案としていくことを予定している。 教材開発に関しては,圧電素子を用いたミニ雷作成装置を改良し,大気中とヘリウム中における雷の色や形状の違いを観察可能にした.この教材により,雷は電気や電子が直接光っているわけではなく,元素の種類の応じたプラズマが発色していることを理解させることができるようになった.また,この教材をアクティブラーニング教育に応用することを目指し、知識構成型ジグソー法を用いた試行的授業を大学生を対象として実施した. また、電子レンジを使用したプラズマ演示実験を行う際の運用上の注意点として、電子レンジの安全性について検討したところ、ほとんどの電子レンジにおいて後方の空冷用の孔から高強度の電磁波が発生することが明らかにされた。したがって教室で演示実験を行う際は、生徒が電子レンジの後方に近づかないように注意する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
特にトラブルもなく、順調に進展しているが、附属中学校や公立学校の協力を求める際に、スケジュール調整が難しいことがあった。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定通りに進展させていくが、附属中学校や公立学校における実践研究のタイミングを早急かつ慎重に決定する。
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Research Products
(3 results)