2018 Fiscal Year Annual Research Report
Promoting the theory and methodology of localized inclusive education
Project/Area Number |
16K04805
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
二宮 信一 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (80382555)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 地域型インクルーシブ教育 / 地域型インクルーシブ教育分析モデル / 専門職の支援方法 |
Outline of Annual Research Achievements |
地域には風土、歴史、文化、伝統の違いがあり、インクルーシブ教育の推進には、その特性に応じた「地域型インクルーシブ教育」の構想と推進の方法が必要となる。 理論構築では、CBR、エコロジカル・モデル、ソーシャルキャピタル、メンタル・プログラムから考察し、また、インクルーシブ教育の原則については、アイスランド調査から検討し、インクルーシブ教育の推進は、コミュニティ・ベースドであること、環境により発達が規定されること、地域や組織の人間関係は、阻害要因にもなるが、武器にもなること、地域住民の価値観は、その地域の文化の影響を受け、メンタル・プログラムとして存在していることが明らかになった。また、幸福感と満足を中心に据えて、持続可能性と創造性、民主主義と人権、平等と公正、健康と福祉、リテラシーという地域型インクルーシブ教育の原則を導き出した。 実践方法論では、羅臼、標津、津別の事例の構造的課題を分析した。その結果、「表象される次元」「規定される次元」「支える次元」という3つが抽出され、『地域型インクルーシブ教育分析モデル』(LIEA-MODEL:リア・モデル “the Localized Inclusive Education Analytic Model”)を考案した。これにより現状を可視化することができ、戦術・戦略を立案することが可能になると考えた。専門家・専門職の支援方法では、へき地の特別支援教育を担う教員の意識変化及び力量形成過程について検討し、省察的実践家としての「安定する逆三角形モデル」を示し、実践的な場面に対応できるように、4つの側面からなる「安定する逆三角錐モデル」(Sitpy-Model :シッピーモデルStable inverse triangular pyramid Model)を考案した。この動的なモデルにより、実践的教員像をイメージすることができると考えた。
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