2019 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16K04808
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Research Institution | Tohoku Fukushi University |
Principal Investigator |
川住 隆一 東北福祉大学, 教育学部, 教授
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Project Period (FY) |
2016 – 2019
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Keywords | 訪問教育 / 特別支援教育 / 学習環境 / 物理的環境 / 人的環境 / スクーリング / 居住地校交流 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、訪問教育対象児童生徒はどのような学習環境下(物理的環境下および人的環境下)で指導を受けているのか、担当教師はこの学習環境の制限・制約を少なくするためにどのような工夫や取り組みを行っているのか等を明らかにすることである。 まず、訪問教育を実施している特別支援学校239校に対して質問紙調査を行い、148校から合計385事例の情報提供を得た。257事例が家庭、45事例が障害者施設、81事例が病院、2事例が離島の通常学校にて訪問教育が実施されていた。また、所属校の児童生徒のみならず、対象児のいる自宅や施設・病院の近隣にある小・中・高等学校の児童生徒との交流機会も設定されている実態が認められた。近隣の小・中・高等学校との交流を実施したことがある割合は、家庭が21.8%、施設が20.0%、病院が12.3%であった。 次に、特別支援学校7校に対して取り組みの詳細に関するインタビュー調査を行い、スクーリングや居住地校交流を通して行われている他児との交流活動に視点を当てて分析した。令和元年度には居住地校交流に関する結果について学会発表を行った。そして、居住地校の児童生徒との交流を充実させるうえで、「居住地校交流」という枠組みにとらわれない交流機会の確保と、居住地校の児童生徒に対する障害理解教育の推進が重要であると示唆した。 最後に、訪問教育に関する国内の研究論文について学習環境という観点からレビューを行うとともに、欧米の訪問教育についてインターネットによる情報収集に努めてきた。欧米の場合、制度の紹介サイトや訪問教育マニュアルを掲載したサイトにはアクセスが容易であった一方、担当教師らの実践紹介や研究論文は少ないように思われた。そして、訪問教育の学習環境に関して記述しているものは見当たらなかった。このように、国外の情報収集については十分な成果が得られず、今後の課題として残された。
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Research Products
(2 results)