2018 Fiscal Year Research-status Report
高等教育機関における意思疎通支援人材育成システムの開発
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16K04829
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
池谷 航介 岡山大学, 全学教育・学生支援機構, 講師 (60740321)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井坂 行男 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (40314439)
望月 直人 大阪大学, キャンパスライフ健康支援センター, 准教授(常勤) (20572283)
楠 敬太 大阪大学, キャンパスライフ健康支援センター, 特任研究員(常勤) (70770296)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 障害学生支援 / 聴覚障害 / 高等教育機関 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度は全国規模の調査を実施する準備として、高等教育機関における障害学生支援の実践を通して得られた課題を研究チームで協議し、全国の高等教育機関から取得すべき支援の実態や方法等について整理を行った。協議の結果、全国調査において実施する質問紙の内容を確定した。2018年度における研究の成果としては、2018年5月に『特別支援教育の授業の理論と実践 通常学校編』(ISBN:978-4-86555-052-8)の「補章」として、障害学生支援に関する論考をまとめて発表し、本研究から得られた高等教育機関において支援を実施する上での課題を述べた。また、2018年9月に、日本特殊教育学会(大阪大会)において自主シンポジウム「我が国における障害学生支援の現状と課題(3)」を企画し、本研究に資する現状の把握に努めるとともに、今後はどのようにこの分野の実践を進めていくべきかについて討議を行った。さらに、2019年3月に、「大1コンフュージョンの実際(3)」及び「大1コンフュージョンの実際(4)」(岡山大学教師教育開発センター紀要)として、大学入学時期において支援や援助の表明や要請にハードルのある大学生全体の実態を把握し、学生が支援を申し出やすくするためにはどのような体制を整備すればよいのかといったことに関する基礎的な研究成果を公表した。最後に、2019年3月に、本研究の主題である聴覚障害学生を支援する学生の育成実践の一環として、「聴覚障がい学生の理解と支援~障がいの理解と講義中のサポートについて~」(国立大学法人岡山大学障がい学生支援室編)を作成・発刊し、支援に携わる学生及び聴覚障害当事者の学生から意見を聴取した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2017年度に研究代表者が2度研究機関を移籍することとなり、元の所属機関において検証していた学生支援の実態に関する論考が遅延した。そのため、2018年度は実態把握の再構築と、全国調査を実施するための質問内容の作成にあて、調査の実施と分析のため、1年間の研究期間延長を申請した。
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Strategy for Future Research Activity |
2018年度に研究チームにおいて障害学生支援の実施に伴う支援学生育成の実態に関して協議を実施し、全国調査に向けた質問内容を確定したうえで、質問紙の作成を進めてきた。今後は質問紙の内容を確定し、全国の高等教育機関に向けて送付を行って、データを取得する。その結果を受けて、分析と考察を行って、学術論文として投稿を行う。また、日本特殊教育学会(9月)において自主シンポジウムを実施し、全般的な障害学生支援における課題の把握に努めるとともに、シンポジウムを通して最終的な論考における示唆を得たいと考えている。
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Causes of Carryover |
研究の進捗に若干の遅延が生じたため、年度内に以下の予算の執行を行わず、期間の延長を申請し、次年度に実施することとした。(1)全国調査に係る研究チームの協議を実施するための旅費、(2)全国調査の発送等に係る経費
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Research Products
(5 results)