2018 Fiscal Year Annual Research Report
Dynamical system approach to the transition structure between asymptotic Turing patterns and the generation of Turing patterns
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16K05231
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
坂元 国望 広島大学, 理学研究科, 教授 (40243547)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 反応拡散系 / Turing不安定化 / 境界上の相互作用 / ロバン型非線形境界条件 / 固有値の変分法的特徴付け |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞極性発現を模倣する2成分反応拡散方程式モデルの二つのタイプについて,数理解析を行った。 先ず一つ目のタイプは、領域内部(細胞質を想定)での2成分拡散系(それぞれ,u, vとする)を非線形ロバン型境界条件のもとで考察した。境界でのfluxが種u, v に関してf(u,v)及び-f(u,v)で与えられるとき,境界上の非線形相互作用f(u,v)によって定常解(極性が未発現状態を表す)から拡散係数の違いにより,Turingタイプの不安定化が起こり,平衡状態の不安定化によって安定なTuringパターンが生成されることを数学的に証明した(Turing-分岐)。このタイプの2成分系は、境界上の相互作用の特殊性(uについて flux がf(u,v)で与えられ,vについては fluxfが-f(u,v)で与えられる特殊性)によって質量保存則が成り立つ系であるため、モデル方程式で生成される力学系が余次元1の不変集合をもち,この不変集合上のダイナミクスが1成分反応拡散系で生成される力学系と類似した数学的特徴を示し、そのため大域的なダイナミクスを詳細に調べることが可能となった。物理空間が1次元の単純な状況では、細胞極性の特徴である、3つの特性:(i)発現の自発性;(ii)極性の安定性:(iii)外部刺激にたいする応答性;の全てを満たす状態の存在を厳密に証明することができた。 二つ目のタイプは3次元球体(細胞質と想定)その境界の2次元球面(細胞膜と想定)と2次元円盤(細胞質と想定)とその1次元境界である円(細胞質と想定)の物理空間において領域内で拡散を行う成分(v成分)と境界上で定義された反応拡散に従う成分(u成分)が境界上でロバン型境界条件を通して結合する系を考察した。ここでは、平衡状態からのTuring 不安定化を変分法を援用した詳細なスペクトル解析を行うことによって確立した。
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