2018 Fiscal Year Annual Research Report
Synthesis and physical properties of new anion-substituted melilites
Project/Area Number |
16K05712
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
土井 貴弘 北海道大学, 理学研究院, 助教 (20359483)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | メリライト / 複合アニオン化合物 / 低次元磁性 / 磁気秩序 / 磁気フラストレーション / 第一原理バンド計算 / 希土類元素 / 構造相転移 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では新規メリライト型化合物やその関連化合物の合成と物性制御を目指して、その化学組成に対して従来のカチオン置換に加えてアニオンサイトの置換を行うことで新物質探索を試みた。さらに、メリライトの特徴のひとつである低次元構造に着目して物性研究を行うとともに、新たな低次元磁性を示す物質の探索や遷移金属のスピン挙動の系統的理解を目指して、関連構造を持つ化合物系へ研究を展開して以下の成果を得た: 【メリライト型化合物の合成と物性】(1) メリライト型化合物Sr2MnGe2O7において、酸素不定比性とそれに伴うMnイオンの酸化状態への変化を見い出し、構造や物性への影響を明らかにした。(2) 複合アニオン型の新規メリライトへ研究を展開し、オキシ硫化物メリライトSr2MnGe2S6Oの合成に成功し、その構造と磁性を明らかにした。アニオンの変化により相互作用が強められ、磁気転移温度が従来の酸化物より大きく上昇することを見い出した。(3) メリライトと同じカチオン配列を持つ複合アニオン型フレスノイトの合成に成功し、結晶学的なアニオンの配列の違いを反映することで磁気的相互作用が10倍以上に強化されることを発見した。 【低次元構造を持つ化合物の合成と物性】(1) 理想的な二次元三角格子を有する層状酸化物Ba2La2MW2O12(M = Mn, Fe, Ni, Zn)に対して中性子回折実験を行い、従来とは異なる構造を有することを明らかにし、低温で強磁性や反強磁性の磁気秩序を示すことを見い出した。 (2) 一次元的な構造的特徴を有するフルオライト派生化合物Ln3MO7(Ln = 希土類; M = Nb, Ta等)に関して、固体酸化物中では不安定なCe3+を含むCe3MO7(M = Nb, Ta)の新規合成や、希土類のイオン半径の僅かな違いがもたらす構造相転移の詳細を明らかにした。
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Research Products
(10 results)