2017 Fiscal Year Research-status Report
計装化押込み試験による多孔質コーティング材料の弾性係数測定手法の確立
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16K05971
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
大木 基史 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (50293204)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 大荷重対応型計装化押込み試験装置 / 低試験力領域における取得データ精度の向上 / 算出ヤング率の高精度化 / SEM画像からの二次元有限要素モデル作成 / TBCトップコート単体試験片の変形挙動解析 / TBCの変形挙動メカニズム推定 |
Outline of Annual Research Achievements |
・大荷重対応計装化押込み装置の開発について,従来使用していた変位センサーをより高精度なものに換装し,またセンサー取付方法を変更することで,低試験力領域における取得データ精度を向上した.また新たなフレームコンプライアンスの決定法を採用することで,算出ヤング率の高精度化を達成した. ・断面観察データに基づくTBC試験片の有限要素モデル化について,SEM画像からの二次元形状データ変換を実施しそれを用いた有限要素モデルの作成を行った.マイクロX線CTによる三次元形状データ測定については,高出力マイクロX線CT装置による形状データ測定を試行したが材料特性上の問題から高精度な形状データ取得が困難であったため,三次元モデルの生成には至っていない. ・関連する研究内容として,TBCトップコート単体試験片の4点曲げ試験方式による変形挙動解析を実施した.その結果,溶射時の変形挙動が顕著な非線形性を示すこと,試験速度および繰り返し回数に対する依存性を示すこと,高温曝露付与により顕著な変形挙動の変化を示すこと,等を明らかにした.またこれらの結果から,本材料の変形挙動のメカニズムとして本来材料が示す弾性変形に加えて,溶滴間のすべり,材料中に内在するき裂の閉口やき裂面の摩擦,等の要因が影響を及ぼしていることを示唆した.また,高温曝露付与による変形挙動の変化の原因について,付与した高温曝露条件では焼結の顕著な進行が考えにくいことから,ガラス相の結晶化によるものと推察した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
・大荷重対応型計装化押込み試験装置の開発において,取得データの高精度化を意図して変位センサーの換装やフレームコンプライアンス決定法の変更を行ったため. ・マイクロX線CTによるTBC試験片の三次元形状データ測定に際して,TBC試験片空隙への物質充填および高出力マイクロX線CTによる測定を試行したが,高精度な形状データ取得には至らなかったため.
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Strategy for Future Research Activity |
・大荷重対応型計装化押込み試験装置の開発およびヤング率測定方法は昨年度までにほぼ確立できたので,今年度でTBCトップコート試験片(従来型TBCおよび新規多孔性TBC)に対するマイクロビッカース圧子および球状圧子による計装化押込み試験を順次実施する. ・TBCトップコートに対する押込み試験の有限要素解析について,当面は上述したSEM画像データからの二次元有限要素モデルを用いて実施し,計装化押込み試験との比較を行う. ・申請書研究計画・方法で提示した「コーティング性状に応じた押込み試験条件の最適化(弾性係数評価方法の確立)」「菌体フィルター用多孔質高分子材料および骨代替用多孔質金属材料に対する上記方法の適用 」についても順次実施していく.
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Causes of Carryover |
ごく些少の残金でありほぼ計画通りに執行したと解釈した.今年度分助成金と合算して使用する.
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Research Products
(2 results)