2017 Fiscal Year Research-status Report
原子状酸素支援分子線エピタキシー法による酸化亜鉛半導体フレキシブルデバイスの開発
Project/Area Number |
16K06297
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
村中 司 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (20374788)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鍋谷 暢一 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (30283196)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 酸化亜鉛 / 透明導電膜 / フレキシブル / ロール・ツー・ロール |
Outline of Annual Research Achievements |
ワイドバンドギャップ材料である酸化亜鉛(ZnO)半導体は、近年、高品質な薄膜が得られるようになり、酸化インジウムスズ(ITO)に替わる透明導電膜(TCO)としての用途だけでなく、新たな機能を有する光・電子デバイス応用を想定した開発レベルに達しつつある。本研究は、分子線エピタキシ(MBE)法と原子状酸素ラジカル(O*)を利用した独自の低損傷・低温成長が可能な成膜プロセスにより、フレキシブル応用が可能なZnOデバイス作製技術の開発を目指す。また、PET、PEN、PCなどの各種有機フレキシブル基板上における構造・特性安定性に関するメカニズムを解明し、フレキシブルZnO系酸化物半導体デバイスの最適化と新たなデバイス応用の可能性を探る。
今年度はフレキシブル応用が可能なロール・ツー・ロール(RTR)方式によって形成したGZO透明導電膜の成膜条件について検討した。直立型のRTRチャンバー内に幅250mm、厚さ100um、ロール状のPETフィルムを設置し、亜鉛温度355-380℃、ガリウム温度800℃、酸素流量25sccm、マイクロ波出力650W、フィルムの送り速度9-13 mm/minの条件でGZO薄膜の成膜を行った結果、どの亜鉛セル温度においても幅方向の膜厚分布は非常に均一であることを確認した。送り方向における膜厚分布に関しては、亜鉛セル温度370℃まで非常に均一な分布であるが、亜鉛セル温度375℃以上においては成膜開始時と成膜終了時における膜厚差が大きいことを確認した。現在、GZO透明導電膜の低抵抗化に関して成膜条件の最適化を行っており、膜厚200nm以下の試料でも~5×10^-4Ωcmの特性のものが得られている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画通り、H28年度計画により得られたMBE成長パラメータから、ZnO薄膜成長条件の最適化を進めている。分光計測技術を用いたラジカル診断により、プロセスガス流量依存性や出力依存性等の条件を詳細に調査しながら最適な成長条件を見出している。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、ロール・ツー・ロール(RTR)方式によって形成したGZO透明導電膜の成膜条件について最適条件を見出すとともにフレキシブルシートにおける高速ZnO成膜プロセスの検討を加える。
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Causes of Carryover |
研究分担者に体調不良が生じたために一部予算の執行に遅れが生じたが、次年度に当初研究計画の内容と予算執行を行う予定である。
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Research Products
(5 results)