2018 Fiscal Year Research-status Report
地域による公共空間の柔軟活用に対する行政支援策に関する研究
Project/Area Number |
16K06638
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
杉田 早苗 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 助教 (90313353)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 公共空間 / 地域組織 / 行政支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、地域組織による公園や道路などの公共空間の維持管理・運営において、地域組織の権限範囲が広く、拠点施設等の整備・設置を行うなど、従来見られなかった積極的な活動を公共空間の柔軟活用と称し、これを支えるための行政による支援策を明らかにすることを目的としている。本年度は、アンケート調査によって把握した行政支援策の中から、グッドプラクティスを行っている事例や支援が進んでいない事例を抽出するために、支援を受けた地域組織側の状況や考え(行政支援を受けたか否か、課題解決に至った否か)を分析することで、支援策の評価軸を設定する作業を行った。具体的には、公共空間の柔軟活用を実施する際に起こった問題や課題に対し、どのような主体とともに解決したか/解決できなかったかを地域組織60団体に調査した結果を分析した。84件の問題・課題の内容を分類し、特に行政が支援を担うべき問題・課題とその解決策を特定し、①安全対策への支援の有無、②法制度上の問題解決への支援の有無、③行政内部の組織間の調整の有無、の3つの評価軸を設定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、事例を抽出するための行政支援策の評価軸を設定する作業を行ったが、分析作業と評価軸の検討に想定以上の時間を要したため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成31年度は、平成30年度の作業により設定した評価軸をもとに、支援を実施した事例をグッドプラクティス事例、支援が実施されず未解決のままであった事例を支援が進んでいない事例として、抽出を行う。次に、事例抽出した行政支援の実施担当者を調査対象として、地域組織による公共空間の柔軟活用に対する行政支援への意向を把握(目的①に対応)するためのヒアリング調査を実施する。主な調査内容は、①地域組織への支援の実施に至った経緯、実施に至る際の問題点と解決法、②実施している支援の効果と課題、③今後、地域組織への支援としてやりたいと考えている事、④地域組織への支援を実施していない理由、⑤地域組織が抱えている問題に対する支援提供の可能性、⑥グッドプラクティスの提示と実施を想定した際の問題点、⑦地域組織による公共空間の柔軟活用の課題と効果、行政支援を行う意義、を想定している。これらヒアリング調査の結果をとりまとめ、行政支援を行う際の問題点や解決策、支援の効果、行政支援を行う意義等を整理する。
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Causes of Carryover |
行政支援においてグッドプラクティスを行っている事例や支援が進んでいない事例を抽出した後に実施を予定していたヒアリング調査が実施できなかったことにより、旅費および人件費・謝金の未使用額が生じている。使用計画としては、ヒアリングを実施するための旅費およびヒアリング調査のとりまとめ補助のための謝金として使用する予定である。
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