2016 Fiscal Year Research-status Report
結合相制御による高温高強度TiCN系サーメットの創製と摩擦攪拌接合ツールへの応用
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16K06763
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
細川 裕之 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 磁性粉末冶金研究センター, 研究チーム長 (80357946)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下島 康嗣 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 磁性粉末冶金研究センター, 主任研究員 (50262887)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 硬質材料 / TiCN / WC |
Outline of Annual Research Achievements |
硬質相と結合相の親和性を向上させる元素探索のため、TiCN-25(Ni,Fe)3AlにMoとWを添加した材料を作製し、機械的特性を評価した結果、W添加による機械的特性向上効果が高いことが分かった。 プロセス中の結合相組成変動による金属間化合物生成の阻害されることを懸念して、硬質材料の結合相のTEM観察を行ったところ、結合相の電子線回折に規則格子反射が認められ、結合相はNi3Al構造を有することがわかった。 さらに、WC量を変化させたTiCN-xWC-25(Ni,Fe)3Al(x= 0, 20, 30, 40, 60: それぞれ0WC, 20WC, 30WC, 40WC, 60WCと称す)を作製し、それらの特性評価と組織・組成分析を行い、WC添加が及ぼす特性への影響を検討した。WC量の増加とともに機械的特性は増加にあるが、焼結時間が機械的特性に及ぼす影響に相違が認められた。0WCでは焼結時間が長くなるほど、相対密度、機械的性質が低下した。20WC、30WC、および40WCでは、焼結時間とともに相対密度、機械的性質は向上した。60WCでは焼結時間とともに相対密度は高くなるが、機械的性質が低下した。 0WCではTiCNと(Ni,Fe)3Alの濡れ性が悪いことから、焼結時間が長くなることでTi(C,N)と(Ni,Fe)3Alの分離が進み、より多くの欠陥が導入されて密度が低下し、結果として機械的性質が低下したと思われる。焼結性を改善するWCが添加された20WC、30WC、および40WCでは焼結時間が長くなることで欠陥が少なくなり、相対密度、機械的性質ともに向上したと推察される。60WCではWCが主相となることから、組織形成過程がWC中へのTiの固溶となることでWC相と(Ni,Fe)3Alの界面強度が低下し、機械的性質が悪化したと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の計画は、金属間化合物結合相を得る組成の決定と強度を向上させるための親和性向上元素の探索とそのプロセス条件を決定することである。そこでTEMにより結合相の組織分析を行い、金属間化合物であることを確認した。またWとMoがサーメットへの機械的特性に及ぼす影響を調査し、Wでよりその効果が高いことがわかった。そこで、WC量の異なるサーメットを作製し、20WC以上の添加にて機械的特性が良好であることを確認できており、予定通り進捗していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度に得られた金属間化合物を結合相とするTi(C,N)系サーメットにおいて高温強度を向上させるために「結合相強化元素と最適プロセス条件の探索」を行うことで、より耐久性に優れたツール材料を創製する。また、初年度創製した材料をツールにして摩擦攪拌接合による「摩擦攪拌ツール性能評価」を行う。
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Causes of Carryover |
契約職員への人件費に充てる予定であったが、その発生月が見込みよりも遅くなったためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2017年度は材料研究に加えて摩擦撹拌接合の実験も本格化してくることから、2016年度以上に繁忙になると考えられる。従って、人件費に充てることで研究を滞りなく進める予定である。
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