2017 Fiscal Year Research-status Report
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16K06905
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
西尾 茂 神戸大学, 海事科学研究科, 教授 (30208136)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
勝井 辰博 神戸大学, 海事科学研究科, 准教授 (80343416)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 操縦流体力 / 浅水域 / 制限水路 / 船型要素 / 数値流体力学 / 狭水路 / 離着岸 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、制限水路、特に水深が極めて浅い水域を航行する船舶に作用する流体力の特性決定要因を明らかにし、運航指標策定に供することのできるデータベースの構築を目的としている。先行研究(基盤研究(C),平成25年度~平成27年度)では、特性決定の主要因と考えられる船底における流れの「塞き止め効果」が顕著に現れ易い肥大船を対象に研究を進めてきたが、本研究では更に流場が複雑になると予想される痩型船について調査を進めてきた。本課題初年度(平成28年度)は、数値計算と模型実験の環境整備と、数値計算を中心として基礎的な流体力特性の調査を進めてきたが、本年度(平成29年度)は先行研究及び初年度の実績を受けて、次のような研究実績を得ることができた。
(1)流体力特性の要因分析:数値計算結果を基に、船型による流体力特性変化の分析を行った。前年度に実用2船型(VLCC,コンテナ船)での流体力特性の違い及び流場構造変化との関係を調査したが、これの応用として数式船型を用いて系統的に船型要素を変化させた時の流体力の挙動を調査し、要因分析に必要な基礎データの蓄積を行った。 (2)模型実験:前年度に製作した痩型船(コンテナ船)の模型を用いて数値計算結果の検証を行った上で、流体力特性と流場の分析結果を論文として公表する予定であった。模型の準備は計画通りにできたものの、実験/計測システムに障害が発生し、実験実施計画に遅れが生じた。これにより、成果発表にも遅れが生じている。 (3)複合要因の分析:前年度までに、開水路における浅水影響による流体力特性の変化の他に、離着岸時の岸壁との相互作用や狭水路影響についても分析を進めてきた。本年度は離岸時船体と岸壁の相対位置の影響調査のひとつとして斜航角の影響を調べ、基礎的な知見を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
課題初年度(平成28年度)は、(1)基礎メカニズムの分析、(2)研究基盤の整備及び(3)要因依存性の基礎調査を進めてきた。本年度(平成29年度)はこれを受けて、遅れ気味の実験環境の整備と数値計算結果の検証を経て、成果の公表を行う予定であった。数値計算による流場特性の解析及び要因分析は順調に進んでいるものの、実験による検証がシステム障害などの影響で遅れている。このため、論文などでの結果の公表にも遅れが生じている。一方、複数の痩型船(実用船型)についての流場解析の結果から、肥大船との流体力特性の違いや流場構造との関係については分析が進み、数式船型を用いた系統的な調査も実施し、データの蓄積が進んでいる。これらのことから、研究はやや遅滞していると判断される。実験以外の研究プロセスは進んでおり、実験の障害を取り除いた以降の研究の展開には期待が持たれる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の遅滞原因である模型実験の実施を早期に実現し、痩型船の数値計算結果の検証を行った上で、肥大船との特性の違いと流場構造変化との関係を明らかにする。数式船型による系統的な要因分析は、数値計算を基に進めているが、流場構造変化との関係や運航指標としての整理を検討する。また、岸壁や狭水路の影響や船体と岸壁の相対位置の影響についても、実験の実施を含めて検討する。
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Causes of Carryover |
理由:計測システムに障害が発生し、模型実験の実施に遅れが生じた。これにより成果発表を含めて研究計画に遅れが生じ、研究費の執行を次年度に先送りすることとなった。
使用計画:実験実施の次年度(平成30年度)に行い、これの関係経費を次年度使用とした予算から執行する。また、実験結果を受けて行う予定にしていた成果発表に関係する経費としても、この予算から執行する予定である。
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