2019 Fiscal Year Annual Research Report
Connectivity between mesophotic coral communities from different depths affected by water transparencies
Project/Area Number |
16K07237
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
成瀬 貫 琉球大学, 熱帯生物圏研究センター, 准教授 (30398309)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 中深度サンゴ |
Outline of Annual Research Achievements |
水深30~150mに存在するとされている中深度サンゴ類であるが、懸濁物が多いために暗い内湾環境では、水深15~20mの比較的浅い場所でも生息していることが分かってきた。西表島西部のクイラ川をはじめとする河川に繋がり、湾奥から湾口まで5 kmに渡り広がる船浮湾に調査区を4区設置し、野外調査を行なった。また各調査区では、中深度サンゴ類の生息環境において、濁度と水深、及び光合成有効放射量の関係より、中深度サンゴ類の暗所への適応について検証するため、環境計測を行なった。その結果、最も湾奥で濁度高い調査区では、比較的浅い水深から(<10m)からセンベイサンゴ・シコロサンゴ類が少数種見られたが、湾口側の透明度の高い調査区では、より深い場所にセンベイサンゴ・シコロサンゴ類の多数の種が生息していることが分かった。また、湾奥では夏季の水温が水深30mで23.42℃~30.39℃ありその差は6.97℃であったが、湾口では同じく水深30mで24.63℃~30.42℃でその差は5.79℃と1℃以上の差があった。 透明度が高く深い場所の群集と、透明度が低く浅い場所の群集の種構成と遺伝的な交流の有無について調べることにより、環境間における幼生供給の可能性について検証し、中深度サンゴ類の保全に有効なユニットを探っている。これに関しては、すでに得られている標本を元に解析を進めているが、サンプリングの遅れから現在も一部の分析を進めている。また、中深度サンゴ類各種が環境によって保有する共生藻に変異については、予想を超えて多様な遺伝子型が見つかっている。
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