2019 Fiscal Year Annual Research Report
複製ストレスチェックポイント制御に関わるRBファミリーの新規分子機能
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16K07250
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
内田 千晴 浜松医科大学, 光尖端医学教育研究センター, 准教授 (60223567)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 複製ストレス / RBファミリー |
Outline of Annual Research Achievements |
「目的」本研究では、”DNA複製ストレスチェックポイント制御に関わるRBファミリーの新規分子機能”の解明を目指した。申請者らは、準備研究期間で得たRBファミリーとDNA複製ストレス応答因子の相互作用等の結果から、「RBファミリーはDNA複製ストレス応答に関与し、ゲノム恒常性の維持に機能する」と考え、これを検証し、RBファミリーによる複製ストレスチェックポイント制御の分子機構を明らかにすることを目的とした。 「研究結果・実績の概要」U2OS細胞内RBファミリーの特定分子をノックダウンすると、Hydroxyurea処理によるDNA複製ストレスを与えた条件において、複製ストレス初期に活性化されるべき応答因子のリン酸化レベルが減少、すなわち活性化が抑制されることが、本研究期間内で再現性をもって示された。また、このノックダウンにより活性化が抑制される応答因子を複数見出し、RBファミリーとの細胞内共局在、結合を明らかにした。更にこのノックダウンは、複製ストレス負荷除去後も1本鎖DNA解消、および細胞増殖の回復を遅延させた。これらの実験結果から、RBファミリーは複製ストレス応答因子活性化とその後の適切な細胞応答において重要な役割を果たすと推測している。 これらの成果について、第42回日本分子生物学会年会(2019年)でポスター発表を行った。また、DNA損傷応答に関わる核内因子の新たな機能の解析に参画し、共著者としての論文が国際誌に掲載された。がん抑制遺伝子産物であるRBファミリーと関連し、細胞増殖制御とがん化に関与する生理活性因子TGFbetaによる細胞内応答の解析研究にも携わり、共著論文が発表された。
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