2016 Fiscal Year Research-status Report
翻訳後修飾によるヘムオキシゲナーゼの機能調節とその破綻による疾患発症との関係
Project/Area Number |
16K07307
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
東元 祐一郎 久留米大学, 医学部, 教授 (40352124)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂口 達也 久留米大学, 医学部, 助教 (00757031)
松井 孝憲 久留米大学, 医学部, 講師 (10425233)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ヘムオキシゲナーゼ / 翻訳後修飾 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヘムオキシゲナーゼ(HO)は、生体内で代謝的にCOを生成する唯一の酵素であり、内因性のCOの大部分は、HO反応によって生成される。一方で過剰のCO生成は生体毒となるため、COの発生源であるHOの活性は厳密に制御されていると考えられるが、その詳細は明らかではない。一方、HOはこれまで小胞体膜結合型酵素として知られていたが、我々のこれまでの研究では、カベオラや核内にも存在することが明らかになり、その細胞内寿命は各局在によって異なることが考えられた。今回、HO1とHO2およびその膜貫通領域を排除した可溶型酵素のcDNAをpcDNA31にサブクローニングし、A549, NIH3T3, PC3, HEK293T, renal cellにトランスフェクトし、各種誘導剤を用いて、その細胞局在について検討した。その結果、Rat renal cellをCo-PPXで刺激した場合にはミトコンドリアに、A549、PC3をheminで刺激した場合には、それぞれミトコンドリア、細胞質、核に局在することが明らかになった。また、NIH3T3をhypoxiaで刺激すると核に優先的に局在することを明らかにした。さらに、マウス腹膜マクロファージをLPSで刺激すると、HOはカベオラに優先的に局在することを明らかにした。一方、前年度までに我々は、HOが高度にユビキチン化されることを明らかにしていた。そこで今回、HCT116をプロテアソーム阻害剤であるボルテゾミブで処理すると、HO1のLys39, Lys69, Lys86, Lys148, Lys153, Lys243がユビキチン化されることを質量分析によるペプチドマッピングによって同定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初、翻訳後修飾の有無に着目して検討する予定だったが、これまでの実験によって、HOは小胞体だけではなく、ミトコンドリア、核、カベオラなど様々な細胞小器官に局在することが明らかになり、その局在のメカニズムが翻訳後修飾によるものかどうかを検討することにした。一方で、前年度までに、HOがユビキチン化されていることを証明していたため、並行してそのユビキチン化部位の決定を行った結果、いくつかのリジン残基の修飾を同定することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
HOが様々な誘導剤、刺激剤、細胞種によって局在が変化することが明らかになったため、その局在の変化にも翻訳後修飾が関係している可能性がある。そこで、HO寿命に係るユビキチン分解の解明と並行して、各種局在型HOの翻訳後修飾の有無についても検討を行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
年度末に発注した合成オリゴおよび海外発注品のELISAキットの納品が次年度になったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上記の合成オリゴおよび海外発注品のELISAキットの納品はすでに完了している。
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Research Products
(15 results)
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[Journal Article] BMC Complement Altern Med.2017
Author(s)
Ishibashi Y, Matsui T, Isami F, Abe Y, Sakaguchi T, Higashimoto Y, Yamagishi SI.
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Journal Title
N-butanol extracts of Morinda citrifolia suppress advanced glycation end products (AGE)-induced inflammatory reactions in endothelial cells through its anti-oxidative properties.
Volume: 17
Pages: 137
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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