2016 Fiscal Year Research-status Report
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16K07815
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Research Institution | Hokkaido Research Organization |
Principal Investigator |
戸田 正彦 地方独立行政法人北海道立総合研究機構, 森林研究本部林産試験場, 主査 (60446317)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 了 地方独立行政法人北海道立総合研究機構, 森林研究本部林産試験場, 研究職員 (40718582)
植松 武是 地方独立行政法人北海道立総合研究機構, 森林研究本部林産試験場, 主査 (60462347)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 木質構造 / 接合 / じん性 |
Outline of Annual Research Achievements |
中大規模の木質構造物の建築が促進される中、より普及を進めるためには、接合部の設計や施工にかかる労力や時間、コストを低減することが必要と考えられる。評定を受けた金物は、実験によって許容耐力を決定するため、釘やボルトの配置は木質構造設計規準(建築学会、以下「設計規準」)を必ずしも満たす必要はない。これに対して、確認実験を行わずに接合部を設計する場合は、設計規準で定められた縁端距離や接合具間隔に則って格子状に配置するため、接合部の面積が大きくなる傾向がある。また釘のように先穴をあけずに施工する接合具の場合は、木材の割裂による影響を軽減させるために千鳥に配置することが望ましいが、どの程度ずらせば効果があるのか、具体的な数値が規準には示されていない。このように、格子状の制約を受けずに接合具を配置することができれば、接合部面積の肥大化を抑制したり、性能を向上させることが可能となるが、その配置を合理的に求める手法は整理されていないのが現状である。 そこで本研究では、釘やボルトなどの接合具を複数本用いた接合部を合理的に設計するために、木材の強度特性を考慮した最適な接合具の配置を求める手法を開発することを目的とした。 平成28年度は、設計規準に定められた縁端距離と釘間隔の基準を満たすよう、CN90釘を直線配置および千鳥配置に打ち付けた鋼板添板接合部の引張試験結果から、配置の違いによる降伏耐力や初期剛性への影響はほとんど認められないが、直線配置の場合は釘間隔が設計規準を満たしていても、割れが繋がることによってじん性が低下することを確認した。 また接合具の有効な配置を検証するための実験仕様を決定するために、設計規準に定められている接合具同士の間隔を満たす配置のバリエーションを検討した。特に格子状に配置する場合に比べて、楕円状に配置することによって、接合具1本が占有する面積が減少することが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
特に問題なく研究を進められている。
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Strategy for Future Research Activity |
・縁端距離、接合具間隔が接合性能に及ぼす影響を、特に木材の異方性に着目しながら比較的単純な仕様での実験によって把握する ・複数本の接合具を用いた接合部の初期剛性、耐力、じん性がそれぞれ効率よく発揮されるような接合具配置を明らかにするため、いくつかの千鳥配置を設定し、格子状配置との性能の変化を実験によって確認する。
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Causes of Carryover |
当該年度の研究成果を元に次年度以降の実験計画を修正し、試験用資材の購入を延期したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
当初計画していた旅費、および実験用消耗品として木材や鋼材・工具の購入に充当する。
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