2017 Fiscal Year Research-status Report
フコキサンチンによるがん予防効果を判定する唾液中の予防マーカー代謝物解析
Project/Area Number |
16K07880
|
Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
寺崎 将 北海道医療大学, 薬学部, 講師 (10391195)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武藤 倫弘 国立研究開発法人国立がん研究センター, 社会と健康研究センター, 室長 (30392335)
増田 園子 北海道医療大学, 薬学部, 教授 (90157206) [Withdrawn]
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | がん化学予防 / がん幹細胞 / フコキサンチン / フコキサンチノール / カロテノイド / メタボローム / 代謝物 / 唾液 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度には、研究計画の基礎とする研究に取り組み、ヒト大腸がん幹細胞様細胞に対するフコキサンチノール(FxOH)を添加した時のアポトーシス誘導作用及び大腸がん幹細胞様細胞を接種して担がんさせたマウスへFxOHを投与した時の腫瘍形成抑制作用の検討を行い、論文1報へまとめて発表した (Terasaki et al. Journal of Clinical Biochemistry and Nutrition 2017)。また、FxOHによるがん細胞アポトーシス誘導作用は主にアノイキス誘導によることを明らかにし、論文1報へまとめて発表した (Terasaki et al. Nutrition and Cancer 2017)。 そこで、平成29年度には、上記の報告へ基づき、大腸がん幹細胞様細胞を用いて、FxOHを添加した大腸がん幹細胞様細胞における、低酸素環境下及びEMT抑制下のメタボロームを解析し、スフィア形成抑制作用と相関する代謝物を明らかにした (Terasaki et al. 2018a and 2018b)。また、大腸がん幹細胞様細胞を接種した免疫不全マウスへフコキサンチン(Fx)を投与し、腫瘍形成抑制作用へ相関する腫脹及び唾液代謝物を明らかにした (Terasaki et al. In press)。さらに、Fxを投与した発がんモデルAOM/DSSマウスにおける、唾液中のマーカー代謝物を発見した。この動物モデルを用いた実験は、3本の報告として、平成30年度にまとめている最中である。平成29年度は、概ね、研究計画に沿って進捗した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度には、上記の報告へ基づき、大腸がん幹細胞様細胞を用いて、FxOHを添加した大腸がん幹細胞様細胞における、低酸素環境下及びEMT抑制下のメタボロームを解析し、スフィア形成抑制作用と相関する代謝物を明らかにした (Terasaki et al. 2018a and 2018b)。また、大腸がん幹細胞様細胞を接種した免疫不全マウスへフコキサンチン(Fx)を投与し、腫瘍形成抑制作用へ相関する腫脹及び唾液代謝物を明らかにした (Terasaki et al. In press)。さらに、Fxを投与した発がんモデルAOM/DSSマウスにおける、唾液中のマーカー代謝物を発見した。この動物モデルを用いた実験は、3本の報告として、平成30年度にまとめている最中である。
|
Strategy for Future Research Activity |
H28〜29の研究計画である「Fx及びワカメを摂取したApcMin/+マウスの唾液・血液・組織のメタボローム解析1報の論文投稿」(平成28〜29年度の2年間の研究結果)を予定通り試みる。具体的には、Fx及びワカメによるApcMin/+マウスの大腸がん予防効果を明らかにする。また、唾液、血液、及び大腸組織のメタボローム解析から、がん予防に重要な代謝経路、マーカー代謝物を明らかにする。さらに、予防マーカー代謝物量から、予防効果の判定基準を確立する。
|
Causes of Carryover |
理由:ApcMin/+マウスを用いた実験は、H29年度は予備実験として行った。H30年度中に本試験を複数回実施予定であり物品費を多く使用するため、前年度の研究費用の一部を繰越すことした。 使用計画:主にFxを投与するApcMin/+マウスの飼育関連費用、及び解析の器具・試薬へ前年度と今年度の物品費を使用する予定である。
|