2016 Fiscal Year Research-status Report
JAにおける青果物営業担当者の人材育成に関する研究
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16K07892
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
清野 誠喜 新潟大学, 自然科学系, 教授 (90225095)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 賢悦 秋田県農林水産部(農業試験場、果樹試験場、畜産試験場、水産振興センター及び林業研, 企画経営室, 主任研究員 (70611226)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | JA / 営業担当者 / 人材育成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の課題は,JAの青果物における営業活動に限定し、その営業活動を担う人材育成の現状と課題を分析し、その育成方策、マネジメントのあり方について検討することを目的とするものである。 課題1年目の本年度は,以下の2点について研究成果を得ることができた。 1点目は,JAグループの全国段階(全中・全農)、県域段階(県中・全農県本部)、単位JAの各段階において,営農・販売事業での人材開発・育成に関する施策体系の全体像を把握し,JAグループにおける青果物営業担当者の育成に向けた取り組みの現状と課題の把握を行った。とりわけ,県域段階で実施されるOFF-JTについては,その研修内容の詳細を分析することで,それらの研修は,営業活動にとって重要な,対外活動(対顧客への働きかけ・活動のこと)と対内活動(対生産者への働きかけ・活動のこと)をそれぞれ取り扱ったもので,両者の連動を意識したものとはなっていないこと,をその課題として明らかにした。 2点目は,JAにおける青果物営業担当者の営業に対する態度・感情等をPAC(Personal Attitude Construct)分析により明らかにした点である。とくに,上記で指摘された対外活動と対内活動の連動が,青果物営業活動の成果(パフォーマンス)に影響することを,定性・定量的に明らかにした。なお,同分析は,青果物営業担当者と農産加工品営業担当者の比較分析という視点からもあわせて行い,青果物を対象とした営業活動においては,対外活動と対内活動の連動がその営業活動で極めて重要となることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は大きく以下の2点について進めた。 1点目は,JAグループにおける営業担当者の育成に向けた取り組みの現状と課題の把握を行った。具体的には,全国段階としてJA全中及びJA全農を,都道府県段階として,秋田県,新潟県,静岡県などのJA県中央会及びJA全農県本部(県経済連も含む)を対象としたヒアリング調査により,その人材育成の取り組みについて検討した。ただし,当初予定していた九州地区のJA県中央会及びJA全農県本部を対象とした,営業人材育成の取り組みについてのヒアリング調査が,先方との日程が合わず実施できなかったが,研究全体の進捗には大きな影響はない。 2点目は,JAにおける青果物営業担当者の,営業活動に対する態度や感情等の特徴をPAC分析により明らかにし,次年度における主要課題である「(営業担当者の)経験学習プロセス」の把握に向けた準備を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画の通り,2年目については,JAにおける青果物営業担当者の「経験学習プロセス」の把握・分析を行う。その際,上述した「対外活動と対内活動の連動」という視点に着目し,経験学習の把握,そして経験学習プロセスの分析を行う。 なお,本年度実施できなかった,九州地区のJA県中央会及びJA全農県本部を対象とした,営業人材育成の取り組みについてのヒアリング調査を,実施する予定である。
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Causes of Carryover |
1点目は,当初予定していた九州地区のJA県中央会及びJA全農県本部を対象とした,営業人材育成の取り組みについてのヒアリング調査が,先方との日程が合わず実施できなかったこと(旅費の未使用額の発生)。2点目は,ヒアリング調査及びPAC分析などで収集したデータの整理・分析を依頼する,職場内職員の長期休暇があり,申請者自身による作業となったこと(人件費・謝金の未使用額の発生)。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度,九州地区のJA県中央会及びJA全農県本部を対象とした,営業人材育成の取り組みについてのヒアリング調査を実施する。また,2年目の課題である,経験学習の把握,そして経験学習プロセスの分析で必要となるデータ整理作業等にかかわる人件費・謝金として使用する。
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