2017 Fiscal Year Research-status Report
PSDセンサを利用したブームスプレーヤの散布高さ検出モジュールの開発
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16K07967
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| Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
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Principal Investigator |
佐藤 禎稔 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (90142794)
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| Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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| Keywords | ブームスプレーヤ / 大規模畑作 / 農薬散布 / ブーム高さ / センサ / マイコン / 高さ制御 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は，大規模畑作で利用されている大型スプレーヤのブーム高さを自動的に制御するためにPSD（光位置検出素子）センサを利用した散布高さ検出モジュールの開発を目的とする。PSDセンサはスプレーヤのブームノズルから下方の対象作物までの距離を非接触で計測するが，前年度までに得られたPSDセンサの測距特性をもとに，平成29年度は複数のPSDセンサと組み込み用のワンチップマイコンで構成される散布高さ検出モジュールとその基本的な計測プログラムを開発した。
1) 散布高さ検出モジュールの開発： 草高がランダムに生育している作物の高さを安定的に計測するためには，散布高さ検出モジュールに複数のセンサを配置し，ある程度の範囲を平滑化した計測データを得る必要がある。本研究では，水平断面の検出範囲を拡大するために3個のPSDセンサを取り付け，その計測信号を組み込みマイコンのA/D変換機能を利用して取り込み，距離・出力特性の線形化や計測データの最適化処理を行い，開発予定のブーム高さ自動制御装置に計測データをCANを利用して出力する散布高さ検出モジュールを開発した。
2) 散布高さ検出モジュールの計測精度の評価： 試作した散布高さ検出モジュールを室内実験およびバレイショや裸地圃場で市販の超音波センサと比較して計測精度を評価した。その結果，全体的には超音波センサの計測値とPSDセンサの計測データはほぼ同等の計測結果を示し，作物までの高さを検出するセンサとしての有効性を確認できた。しかし，作物が繁茂している状態ではPSDセンサの個々の計測データは大きく変動し，今後計測データを平滑化するなどの信号処理プログラムの開発が必要であることが判明した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大型スプレーヤのブーム高さを安定させるために，PSDセンサを利用した散布高さ検出モジュールの開発を目的とし，平成28年度は，PSDセンサの基本的な測距特性や自然光の外乱を除去する方法などの基礎研究を実施した。平成29年度は，組み込みマイコンと3個のPSDセンサを内蔵した散布高さ検出モジュールを試作し，圃場などでその計測特性に関する実験を実施し，開発している散布高さ検出モジュールの精度などを評価し，ブーム高さを検出するセンサとしての有効性を確認している。
したがって，当該年度で予定していた研究計画をほぼ予定通りに実施することができ，次年度以降の研究の進展につながるものと自己評価できる。
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| Strategy for Future Research Activity |
開発中のPSDセンサを利用した散布高さ検出モジュールは，組み込みマイコンと赤外線透過フィルタを付加した複数のPSDセンサで構成され，太陽光の影響を受けずに非接触で距離計測が可能である。そこで，実際のバレイショ圃場で防除作業中に散布高さの計測実験を行った結果，PSDセンサはブーム下方の作物までの高さを計測し，CANを利用してパソコンに計測データを収集できることを確認した。しかし，大型スプレーヤのブーム高さを安定的に自動制御するためには，計測データを適切に平滑化するなどの信号処理が必要である。また，バレイショ以外の基幹畑作物についての計測特性の確認も必要であり，本研究の最終年度として実用化に向けた総合的な開発を行う。
1) 計測データの信号処理プログラムの開発： 圃場実験で得られたPSDセンサの計測データを利用してブーム高さ自動制御装置のための最適な信号処理アルゴリズムを開発する。
2) 種々の作物での計測特性： これまでの実験では裸地やバレイショ圃場での計測実験を実施してきたが，この他に大規模畑作での基幹作物である小麦やテンサイ，豆類などを対象とした散布高さ検出モジュールの計測実験を行う。
3) ブーム高さ自動制御装置とのデータ通信方法の開発： 現在スプレーヤメーカーとの共同研究で大型スプレーヤのブーム高さ自動制御装置の開発を行っている。そこで，その自動制御装置と散布高さ検出モジュールの接続および計測データの通信方法などについての開発を行い，実用化に向けて本研究の総括を行う。
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| Causes of Carryover |
平成29年度の研究成果を学会で発表する予定であったが，他の予算で出張したため，残額が生じた。
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| Remarks |
北海道の防除作業では散布幅が30mを超える大型ブームスプレーヤが利用されており，長大ブームによる散布高さの変動や不均一散布などが大きな問題となっている。そこで本研究は，近年市販されているPSDセンサに着目し，予備研究の結果からスプレーヤの散布高さを計測するセンサとしての可能性を得たことから，複数のPSDセンサとワンチップマイコンで構成される散布高さ検出モジュールを開発することを目的とする。
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