2018 Fiscal Year Annual Research Report
Effect of intravenous administration of functional amino acid arginine on the fertility of cattle
Project/Area Number |
16K07982
|
Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
平田 統一 岩手大学, 農学部, 助教 (20241490)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
喜多 一美 岩手大学, 農学部, 教授 (20221913)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | アルギニン / 雌牛 / 妊孕性 / 静脈内単回投与 |
Outline of Annual Research Achievements |
牛の定時人工授精(tAI)プロトコールの卵胞発育時にアルギニン(Arg)を頸静脈内投与する方法において,非投与群の受胎率27.3 %(3/11頭)に対し60 g群が72.7 %(8/11頭),5 g群は66.7 %(8/12頭)と有意に高く(P<0.05),Arg 5 g投与は,60 g投与と同様に有効であると考えられた.tAI前2日あるいは3日にArg 5gを投与することは簡易で安価な新しい繁殖技術として有効であることが示された.Argが牛の妊孕性を改善する機序を検討するため,未経産牛6頭を供試し,Arg 5 gまたは60 gを反転投与後に頻回採血を行い,血漿中の各種成分(各種アミノ酸,NH3.尿素,血漿中グルコース,クレアチン,トリグリセリド,一酸化窒素(NO)代謝物)を測定した.その結果,Arg投与に継続してオルニチン回路が活発に働くことにより妊孕性を障害するアンモニアの血中濃度が減少し,タンパク合成が促進されること,また一酸化窒素が合成されて卵巣や子宮に対する血流が上昇することなどの可能性が示された.しかし,Argの投与量(5gと60g)によって生体反応に相違がみられ,たとえば,血中アンモニア濃度は,60 g群が投与後3時間に投与前の94.0 %の低い値で推移したのに対し,5 g群では受胎率改善効果がみられるにもかかわらず,アンモニア濃度に有意な差はみられなかった.このことから,Argは雌牛の代謝一般に影響して妊孕性を高めるというよりは,卵巣内の卵胞成熟,卵子発育能獲得に直接的に働くことが推測された.そこで,Arg投与後の卵胞液中Argを測定し,Argが血中から卵胞液中に移行することを明らかにした.牛卵子の体外成熟培養液にArg 100μg/ml添加して遺伝子発現をRNA-seq法により比較したところ,成熟卵子で43,胚盤胞で14遺伝子発現に有意な差がみられた.
|
Research Products
(3 results)