2019 Fiscal Year Annual Research Report
Effects of mud snails on rice production and rice paddy field ecosystem
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16K08124
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
佐藤 智 山形大学, 農学部, 准教授 (70444023)
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Project Period (FY) |
2016-10-21 – 2020-03-31
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Keywords | マルタニシ / 水田生物多様性 / 有機水稲栽培 |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請課題はマルタニシ(以下タニシ)の水田生態系における機能、特に水稲や他種生物への影響を明らかにし、水稲栽培への活用を目的として実施されたものである。 H28~31年度に試験水田(2a)を4~6筆用意した(以下圃場試験)。半数の各圃場にタニシ1000個体を田植え前後に導入(以下導入区)。導入区では定期的に機械除草したのに対し、タニシ非導入区(以下、非導入区)では除草剤を一度だけ散布した。肥料やその他薬剤は使用しなかった。その結果、全体的に平均収量が導入区で非導入区より10~20%程度多くなった(H31年度:籾重20.6g/株(導入区)、19.5g/株(非導入区))。雑草はH30~31年度に調査し、導入区で非導入区より増加する傾向が見られた(H31年7月:田面600平方センチメートル当たり雑草乾物重は2.5g/導入区、1.7g/非導入区)。H29~30年度にタニシの導入を操作した小型水田(屋外)とポット(ガラス室)試験を行った結果、水稲の生育が導入区で非導入区より10%程度促進した。また、H31年度に屋外で実施したポット試験では導入区で土壌の窒素量が増加したことから、タニシ導入により土壌の栄養状態を改善することが、水稲の生育が促進される要因の一つとして考えられた。 H28~31年度に室内または屋外実験で、タニシの各種水田生物(5種ミジンコ類、2種貝類など)への影響を試験した。その結果、全生物の生育や発生量が導入区で非導入区より増加した。H31年度はウキクサとアブラムシへ影響を試験した結果、導入区で非導入区よりそれぞれ3倍と8倍ほど増加した。以上のことからタニシは水田の他種生物の発生を促進することが明らかになった。 これらの研究成果は、近年減少傾向にあるタニシのような在来生物の有用性や、水田の生物多様性を創出するメカニズムを理解する上で重要であると考えられた。
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Research Products
(2 results)