2017 Fiscal Year Research-status Report
高機能化脂質ナノ粒子の開発とRNA干渉療法への応用
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16K08201
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
浅井 知浩 静岡県立大学, 薬学部, 教授 (00381731)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 脂質ナノ粒子 / DDS / siRNA / RNA干渉 / verteporfin / オートファジー |
Outline of Annual Research Achievements |
small interfering RNA (siRNA)医薬は、アンドラッガブルとされているタンパク質を治療標的とすることが可能であり、アンメットメディカルニーズ疾患に対する医薬品シーズとして期待が高い。しかし、siRNAは生体内で容易に分解されるうえ、細胞膜透過性が乏しいために、drug delivery system(DDS)技術の開発が必須である。本研究では、siRNAを標的細胞に送達するだけにとどまらず、到達したsiRNAが効率的にRNA干渉を引き起こすための仕組みを付与した高機能化脂質ナノ粒子を開発する。本目的を達成するため、我々は既承認薬であるverteporfinのオートファジー阻害作用に着目した。そして昨年度までに、verteporfinがオートファジーの阻害を介してRNA干渉増強作用を示す結果を得た。本年度は、polo-like kinase 1(Plk1)タンパク質を標的とするsiRNAを封入したverteporfin含有脂質ナノ粒子(siPlk1-V-LNP)を調製し、ヒトがん細胞に対する抗がん効果について検討した。その結果、siPlk1-V-PCL処理群は、verteporfin含有しない脂質ナノ粒子化siPlk1処理群や、verteporfin単独処理群と比較し、より顕著な細胞増殖抑制効果を示した。Plk1遺伝子のRNA干渉試験と細胞増殖抑制試験の結果より、verteporfinを脂質ナノ粒子に含有させることにより、遺伝子抑制効果と細胞増殖抑制効果が有意に増強することが明らかになった。本年度までの結果から、siPlk1とverteporfinを用いたがん併用療法の有効性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書に記載した年次計画に沿って研究が進行しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画に沿って研究を推進する予定である。
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Research Products
(25 results)