2018 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanism of biosynthesis of glycosaminoglycan by Golgin, and its hereditary bone and skin disorders
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16K08251
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
水本 秀二 名城大学, 薬学部, 助教 (40443973)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | Golgin / プロテオグリカン / グリコサミノグリカン / GORAB / LFNG / 結合組織疾患 / 脊椎肋骨異骨症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではGolginファミリータンパク質によるグリコサミノグリカン(GAG)の生合成調節機構とGolginやGAG生合成酵素の変異による遺伝性骨・皮膚疾患における発症メカニズムの解明を目的とする。今年度は、Notch受容体上の糖側鎖 (-Fuc-GlcNAc-Gal-Sia; Fuc、GlcNAc、Gal、Siaはそれぞれ、フコース、N-アセチルグルコサミン、ガラクトース、シアル酸を示す) の生合成過程におけるGlcNAc残基の付加に関与しているLunatic Fringe (LFNG)の複合ヘテロ接合変異 (p.Leu156Arg/p.Arg286Trp、p.Lys124Asnfs*/p.Asp201Asn) を持つ2人の日本人脊椎肋骨異骨症患者を見出した。脊椎肋骨異骨症は、肋骨の融合や欠損、椎骨の多発性分節異常に起因する融合や欠損などを特徴とする骨系統疾患である。患者では短勁、短体幹、側弯、胸郭不全、重篤な側弯症および多発性の椎骨形成異常を示した。野生型LFNGと比較して、変異型LFNG(LFNG-p.Leu156Arg, -p.Arg286Trp, -p.Asp201Asn)はGlcNAc転移酵素活性が顕著に低下していた。これらの知見から、患者ではLFNG変異によって糖転移活性が低下し、糖側鎖 (-Fuc-GlcNAc-Gal-Sia) の合成異常を引き起こし、その結果、脊椎肋骨異骨症を発症すると推察された。したがって、LFNGあるいは-Fuc-GlcNAc-Gal-Sia糖鎖が椎骨の発達に必要であることが示された。しかしながら、LFNGの役割や-Fuc-GlcNAc-Gal-Sia側鎖の機能には不明な点が多い。今後、患者由来の細胞を用いた機能解析が必要であろう。 これらの成果を踏まえ、国際誌に原著論文3報を発表し、学会での発表を19回行った。
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Remarks |
水本秀二、National Glycoengineering Research Center (NGRC) Seminar, Shandong University, Quindao, China、2018年6月21日.
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