2017 Fiscal Year Research-status Report
解剖前撮影CT画像を活用した肉眼解剖学的研究の推進
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16K08445
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
岡本 圭史 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 准教授 (50152343)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
弦本 敏行 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (60304937)
佐伯 和信 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 講師 (80195966)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | CT画像 / 肉眼解剖学 / 腎動脈 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度の長崎大学医学部の解剖学実習に使用させていただいた遺体30体の中でCT画像を得ていたのは12体であった。しかし、今年度も解剖学実習が4月からすぐに始まって1週間に3回と進行が速く、また1年生の骨学実習も並行して担当している状況からCT画像の読影を進めるのが遅れがちになってしまった。実際の解剖で腎動脈の破格を4例確認したが、その内2例はCT画像を得ていて解剖前に画像の読影で破格が確認されていた。平成29年度の解剖学実習で遭遇した最も注目された破格は左上肺静脈が左腕頭静脈に注ぐ肺静脈の部分的還流異常例であるが、CT画像を得ていない解剖体で認められたものである。生体のMDCT画像では確認が可能であると報告されている。 平成29年度の長崎大学歯学部の解剖学実習に使用させていただいた遺体10体の中でCT画像を得ていたのは2体であった。3Dソフトを用いて大きな動脈の分岐と走行を検索した所、1例で右腎動脈が2本存在することが窺われた。実際の解剖でその所見が確認された。ただしこれらの腎動脈が下大静脈や尿管の前を通るのかあるいは後ろを通るのかの判読は難しい。この例の過剰な低い腎動脈は分岐する高さから下大静脈の前で尿管の後ろを通るタイプであろうと推測して学生に述べていたところ、実際にそのような所見だったので学生が感心していた。 腎系血管の発生をラットで探究している岩手医科大学の磯貝純夫先生とディスカッションする機会を得られたのは幸いであった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
解剖学実習の進行が速いのでなかなかCT画像の読影が追い付かないというのが実際である。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度が3年間の研究の最後の年になるので成果に結びつくように研究を進めたい。昨年は画像の研究発表も盛んな臨床解剖研究会にも参加することが出来た。色々な研究者とディスカッションする機会を得られるのは有難い。解剖学的のみならず形態形成学的視点からも研究を進めたい。
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Causes of Carryover |
研究分担者の解剖学会への出張費用を教室・講座経費で賄えたこと。 新しい解剖器具の購入を見合わせたため。 CT画像の読影を専門の放射線科医に依頼しなかったため。 以上の点やその他、色々な研究者との交流の促進といった事柄も考慮しながら予算を有効に使用する予定である。
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