2018 Fiscal Year Annual Research Report
Infiltration of CD1a-positive dendritic cells and mucin core protein expression in gallbladder cancer
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16K08650
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
甲斐 敬太 佐賀大学, 医学部, 准教授 (60516540)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 胆嚢癌 / CD1a / ムチンコア蛋白 / 腫瘍免疫 / 予後予測因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度までに、胆嚢癌細胞におけるCD1a発現をCD1a抗体 (クローン: VP-C311)による免疫染色により解析し、ムチンコア蛋白 (MUC1, MUC2, MUC5AC, MUC6) 発現との関連を検討した。 平成30年度は、別クローンのCD1a抗体 (010 RTU)を用いて、結果の検証を行った。010 RTUでも、癌細胞におけるCD1a発現を確認できたが、VP-C311と結果が異なった。そこで、染色プラットフォームを変更し、再度CD1a(010 RTU)の染色を行ったところ、癌細胞におけるCD1a発現は消失した。以上から、胆嚢癌細胞のCD1a発現は非特異的なものであったと結論付けた。 急遽、研究計画の見直しを行い、癌組織内のCD1a陽性樹状細胞に着目して解析を行った。すると、腫瘍に多数のCD1a陽性樹状細胞が浸潤している症例(CD1a-high群)と、CD1a陽性樹状細胞を殆ど認めない症例(CD1a-low群)とに二分されることが判明した。この2群間を比較する解析を行った。 その結果、CD1a-high群と、CD1a-low群の間で、年齢、性別、腫瘍の深達度に有意差は認めなかったが、リンパ節転移と遠隔転移はCD1a-low群で有意に多かった。また、ムチンコア蛋白発現に関しては、MUC2発現のみに相関がみられた。生存期間に関して解析を行ったところ、CD1a-low群はCD1a-high群に比べて全生存期間(p=0.0085)、腫瘍特異的生存期間(p=0.0173)ともに有意に予後不良であった。さらに、Cox比例ハザードモデルを用いて、TMN因子を含めた多変量解析を行ったところ、CD1a発現は全生存期間に関して独立した予後不良因子(p=0.0451)であったが、腫瘍特異的生存期間に関しては、遠隔転移のみが独立した予後不良因子であった。
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