2018 Fiscal Year Annual Research Report
Estimation of structural and statistical sectors of HV-1 Env trimer by random matrix theory
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16K08824
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
横山 勝 国立感染症研究所, 病原体ゲノム解析研究センター, 主任研究官 (70296028)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | HIV-1 / エンベロープ / 統計的カップリング行列 / ランダム行列理論 / セクター |
Outline of Annual Research Achievements |
蛋白質の機能領域はアミノ酸残基がセクターを形成して機能する。そのため、このセクターを構成するアミノ酸残基を知ることは、蛋白質の機能の理解および制御するために重要である。本研究では、HIV-1 Env三量体の中和抗体逃避および機能発現のメカニズムを明らかにするために、ランダム行列理論により構造セクターおよび進化セクターの推定を行う。本年度は、HIV-1 Envの進化セクターの推定と変異ロバストネスの解析を行った。 進化セクターの推定に用いるHIV-1 Clade BおよびClade CのEnv領域全長のアミノ酸配列は、HIV sequence database から取得した。はじめに、取得したアミノ酸配列を用いて統計的カップリング行列を求めた。次に、得られた統計的カップリング行列から、ランダム行列理論によりノイズに起因する成分を取り除いた。ノイズを取り除くことで統計的カップリング行列は、Clade Bでは16、Clade Cでは21の主成分からなることが明らかになった。統計的カップリング行列の主成分から進化セクターを推定した。Clade Bにおいて27、Clade Cにおいて33の進化セクターが推定された。最大固有値の進化セクターをHIV-1 Env三量体立体構造に表示した。最大固有値の進化セクターは主にC-C loop近傍に位置していた。最大固有値の進化セクターの変異ロバストネスを知るために、セクターのアミノ酸残基にin silico変異導入解析を実行した。最大固有値の進化セクターを構成するアミノ酸残基の多くは、最も構造を安定にするアミノ酸であることが明らかになった。最大固有値の進化セクターの多様性解析を行うと、多くのアミノ酸残基は極めて保存されていた。このことは、最大固有値の進化セクターが構造安定性を維持するために、変異を許容し難いことを示唆する。
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Research Products
(6 results)