2017 Fiscal Year Research-status Report
高度先端医療の説明義務と裁量に関する倫理・法・社会的視点からの複合的研究
Project/Area Number |
16K08893
|
Research Institution | Bukkyo University |
Principal Investigator |
村岡 潔 佛教大学, 社会福祉学部, 教授 (10309081)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
粟屋 剛 岡山商科大学, 法学部, 教授 (20151194)
山下 登 岡山大学, 法務研究科, 教授 (90210418)
宍戸 圭介 岡山商科大学, 法学部, 教授 (10524936)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 医師の裁量権 / 患者の自己決定権 / 高度先端医療 / 倫理的法的社会的研究 / パレーシアの倫理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、高度先端医療における医師側の裁量権と患者の自己決定権の関係性について、医学のみならず、生命倫理・医療社会学・医事法さらには医学哲学・医学概論の立場から検討するものである。29年度は、研究会を3回開催し、主任の村岡は「高度先端医療における医師の裁量の倫理社会的制御因子と促進因子をめぐって」を、分担者の山下登「認知症患者に対する法的支援のあり方をめぐる日本の現状」を、同じく粟屋剛は「手術誘引をめぐる患者の自己決定権と医師の説明義務」を、同じく宍戸圭介「医療政策と医師の説明(義務)」についてさらに研究を深めた。 たとえば、村岡は、第4回釧路生命倫理フォーラムにて8月7日(月)の「高度先端医療の説明義務と裁量に関する倫理・法・社会的視点からの複合的研究」の研究会では、下記の発表が行われた。発表順に、 山下登(岡山大学)「患者が(完全な)同意能力を有しない場合における患者本人及び家族に対する説明のあり方-ドイツと日本の判例の比較を通して見えてくるもの-」、村岡潔(佛教大学)「生命倫理的課題としてのパレーシア(真実を語ること)の意義」、打出喜義(小松短期大学)「福島県立大野病院事件を再考する」[招待講演]、粟屋剛(岡山商科大学)「手術誘引研究の枠組み」、および 宍戸圭介(名古屋経済大学)「手術誘引研究の方法論」についてであった。また、11月12日(日)の第36回日本医学哲学・倫理学会(帝京科学大学千住キャンパス)では、村岡は、個人研究発表:「病いの二分法としての<Illness/Disease>再考」とシンポジウム「ケアの問題としての『尊厳死』―尊厳あるいのちをいかに支えるか」のシンポジストを務めた。さらに12月16日(土)の第29回日本生命倫理学会年次大会(シーガイア・コンベンションセンター宮崎)では、村岡は「医療におけるパレーシアの実践に関する一考察」を研究発表した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上述のように、主任と分担者の枠割分担が順調にうまくいっており、それぞれの研究がおおむね当初の予定に従って進んでいる。また、その成果を関係学会等の雑誌や口頭で発表しているからである。
|
Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究計画に従って、さらに研究を各自並びに共同で推し進め、8月のワークショップ形式の研究会や、秋の生命倫理学会でのシンポジウムを企画している。さらに、過去の医療過誤事例についても今日的視点で再検討し、できれば成書にまとめるための準備を進めていく予定である。
|
Causes of Carryover |
当初予定していた学会参加費や旅費、人件費、書籍代、調査費に関する費用が少なくすんだことにより余剰が生じたことによる。 H29年度の余剰金については、H30年度の旅費に充当する予定であり、それは前年度予定していた学会参加費や旅費、人件費、書籍代、 調査費等に相当するものである。
|
Research Products
(15 results)