2016 Fiscal Year Research-status Report
アトピー性皮膚炎の痒みにおける神経・内分泌・免疫のクロストーク
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16K08986
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
天野 博雄 群馬大学, 大学院医学系研究科, 講師 (70302487)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | アトピー性皮膚炎 / ストレス / 痒み / ノルエピネフリン |
Outline of Annual Research Achievements |
アトピー素因のあるモデルマウス(NC/Nga) において、精神的なストレスを加えることで掻破行動が生じ、徐々にアトピー性皮膚炎様症状が惹起されることを確認した。精神的ストレスを加える方法は拘束水浸ストレスであるwater avoidance stress を用いた。ストレスが適切に負荷されているか血清中のコルチコステロン値およびfecal pelletsを測定した。ストレス負荷により、血清コルチコステロン値およびfecal pellets の増加がみられた。 痒みの指標として、自動掻破行動測定装置であるSCLABA Realを用いて掻破行動を測定したところ、掻破回数の上昇があった。皮膚炎の評価には severity skin scoreを用い、湿疹病変の出現があった。さらに、皮膚病理組織の免疫組織学的検討を行った。皮膚組織ではマスト細胞およびNK細胞の増加があった。免疫血清学的には血清IgE、インターロイキン(2,4,5,10,13,17) およびインターフェロンγを測定し、血清IgE値の経時的な上昇が確認できたが血清中のインターロイキンおよびインターフェロンの変化は見られなかった、皮膚組織さらに脾臓組織はマルチビーズショッカーを用いて破砕し、アイソジェンを用いてmRNAを抽出した。次いで、real-time PCR法を用いて種々のサイトカインの発現を検討したところ、インターロイキン5、インターフェロンγの上昇があった。CRF受容体のmRNA発現量、脾臓、リンパ節培養細胞上清のサイトカイン産生能の変化を現在測定中である。 血清corticotropin-releasing factor (CRF)、ノルエピネフリン値、mRNAからのアドレナリン受容体発現量についてもこれから検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
基礎データは得られている。測定項目がやや少ないがおおむね順調と考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
すでに回収、抽出したmRNAや培養細胞上清を用いて種々の因子の測定を効率良く行っていくことを目標とする。
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Causes of Carryover |
平成28年度は基礎データの集積が主であった。また測定を行う予定であったエピネフリン、CRF測定について、次年度に延期したため次年度使用額が生じた(測定延期の理由の一つは研究代表者の異動が生じたためです)。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度上記のエピネフリン、CRFを測定し、さらに平成29年度の予定研究を合わせて行っていく。
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