2018 Fiscal Year Annual Research Report
Cross talk of nerve, endocrine and immunity in itching of atopic dermatitis
Project/Area Number |
16K08986
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
天野 博雄 岩手医科大学, 医学部, 教授 (70302487)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | アトピー性皮膚炎 / 痒み / NK細胞 / オピオイド |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までにアトピー性皮膚炎(AD)モデルマウス(NC/Nga)にwater avoidance stress (WAS) による精神的ストレスを加えることで、痒み行動が生じること、また様々なメディエーターの測定を行い、精神的ストレスによりADの発症が惹起されることを確認した。痒みの指標として掻破行動を測定した。測定には、自動掻破行動測定装置であるSCLABA Realを用いて調べた。 続いて、WAS 負荷前にcorticotrophin-releasing factor (CRF) を投与し、ストレスによる掻破行動あるいはAD発症に対する影響について検討した。結果としては、CRFはWASによる掻破行動を濃度依存性に抑制した。また、CRF投与前にステロイド合成阻害剤を投与し、CRFによるステロイド分泌の影響を除去した後に同様の実験を行ったところ、CRFは同様にWASによる掻破行動を抑制した。このことから、CRFはステロイド分泌を介さずに掻破行動を抑えることが判明した。 さらに、NC/Nga マウスにストレスを加えることで末梢血中のNK細胞数が減少すること、オピオイド受容体の発現に影響を及ぼすことも確認した。すなわち、脳中のオピオイドμ受容体発現を促進させ、オピオイドκ受容体の発現を低下させた。CRFはこれらの発現変化を調整させる作用をもっていた。なお、皮膚表皮に関してもオピオイド受容体の発現の変化が見られたことも確認している。ストレスとNK細胞数、オピオイド受容体の相互作用の一部を確認することができた。
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