2018 Fiscal Year Research-status Report
抗癌剤起因性末梢神経障害に対するグレリンを用いた新規治療法の開発
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16K08989
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
小谷 昌広 鳥取大学, 医学部, 講師 (30529392)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | グレリン / 抗癌剤起因性末梢神経障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
殺細胞性抗癌剤のうち、特に乳癌、卵巣癌、肺癌など固形腫瘍で多くの適応疾患があるパクリタキセルは、有害事象として末梢神経障害の発現頻度が高く、重度の末梢神経障害により著しいQOL低下を来すことも稀ではない。またパクリタキセル以外でも大腸がんに対するオキサリプラチンや、造血器腫瘍に対するビンクリスチンなど末梢神経障害が問題となる薬剤は多数存在している。しかしながら、抗癌剤起因性末梢神経障害に対する画期的治療薬や予防法は未だに存在せず、鎮痛薬、抗うつ薬、漢方薬など対処療法を行っているのが現状である。近年グレリンの新しい生理活性として神経保護作用が推測されている。本研究は、合成ヒトグレリン補充下での化学療法を行うことで、抗癌剤起因性末梢神経障害を予防する新規治療法確立を目指している。平成28~29年度の計画は、パクリタキ セル投与患者の血中グレリン濃度を測定し、各々の末梢神経障害の程度を評価することであった。検体の集積は順調に進んでおり、中間解析にてグレリン濃度と抗癌剤起因性末梢神経障害の重症度が関連した傾向が得られた。平成30年度はグレリン投与により作成したマウスモデルおよびパクリタキセル投与によって作成した末梢神経障害マウスモデルを用いて、末梢神経障害に関与する様々な炎症マーカーの解析を行い、グレリン投与前後の末梢神経障害の程度をVon Fley Filamentテストにより解析し、病理学的な検討も加える実験計画であったが、進行が遅れており、平成31年度以降も継続する方針とした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者の病気療養のため研究を中断していた期間があり、研究全体の進行が遅延している。
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Strategy for Future Research Activity |
大学院生に研究協力を依頼し、予定通り動物実験等遂行していく。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、研究の全体的な遅延により必要物品の新規購入が滞ったためであり、次年度は計画通りに研究を遂行し予算を執行する。
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