2017 Fiscal Year Research-status Report
三次元プリンターで造形する線量計材料製ファントムの開発
Project/Area Number |
16K09016
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
佐藤 文信 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (40332746)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 久司 大阪大学, 工学研究科, 技術専門職員 (40379144)
伊達道 淳 大阪大学, 工学研究科, 技術専門員 (50379145)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 線量計 / ファントム / 3Dプリンタ / 蛍光ガラス |
Outline of Annual Research Achievements |
はじめに、RPL(ラジオフォトルミネセンス)線量計含有フィラメントの製作について述べる。RPL線量計含有フィラメントはPLA樹脂に蛍光ガラス線量計材料粉体がフィラーとして含有させたものである。均一に混ぜ合わせたPLA樹脂粉体とRPLガラス粉体を3Dプリンタ用フィラメント製造機に投入し、混合物は200度まで加熱し、引き出し口より押し出して製造した。RPLガラス粉体とPLA樹脂粉体の重量比は最大2:8まで製作できた。 製作したフィラメントをもちいて、3Dプリンタによる印刷を試みた。RPLガラスとPLA樹脂の比率が小さいフィラメントでは、3Dプリンタによる印刷はある程度可能であったが、比率を高くすると、3Dプリンタのノズルに詰まりが生じて、安定した印刷が難しかった。また、RPLガラス粉体の平均粒径を数マイクロメートルに小さくしたものを利用して、印刷を試みたが、ダマになるため良い結果が得られなかった。 現時点では、蛍光ガラス線量計材料の利用は一旦中断して、代わりに、フォトクロミック線量計材料を利用するように研究計画を修正した。フォトクロミック色素は、紫外線を吸収することによって発色する有機化合物で、シンチレータ材料と混合することで、放射線に感度を持たせることが出来る。既に、フォトクロミック線量計についての研究は、幾つかの研究グループによって報告されているが、3Dプリンタの印刷については、殆ど報告されていない。そこで、3Dプリンタの印刷に適したフォトクロミック線量計材料を選択する作業をおこなった。材料選択において重要な点は、フォトクロミック色素をある高温以上で加熱すると発色感度を失うために、3Dプリンタの印刷における加熱温度が低い方が望ましい。つまり、PLA樹脂などのフィラメント母材の軟化温度が重要であり、本課題に適した材料選択が課題となっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成29年度の前半は、RPL線量計含有フィラメントの改良に取り組んだが、途中で、フォトクロミック線量計材料を利用することに方針を修正したため、進捗状況はやや遅れている。ただし、RPL線量計含有フィラメントについては、十分な線量感度をもっているため、線状(ロープ状)の線量計としての利用は十分で、幾つかの応用が考えられ、それに関する成果として、学会発表や論文発表を行うことが出来た。RPL線量計含有フィラメントについては、本課題とは別に研究を進めるつもりである。 フォトクロミック線量計材料については、研究実績の概要で述べたようにフィラメント母材が重要であり、現在、軟化点の低い樹脂を用いて、フォトクロミック線量タイプのフィラメントを試作している段階である。十分に特性を調べることが出来ていないが、フォトクロミック色素、シンチレータ(BaFCl)、PCL(ポリカプロラクトン)を原材料にしたフィラメントを試作して、エックス線照射による放射線感度特性試験を実施し、さらに3Dプリンタ印刷試験を行い、その性能を調べている。フォトクロミック線量計の感度は、RPL線量計に比べて低いが、本研究課題で開発する線量計材料をもちいたファントムでは、問題ないと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度においては、3Dプリンター技術に適したフォトクロミック線量計材料の開発をおこなう。原料の種類や混合比を変えたフィラメントを試作し、その特性を調べる予定である。また、フォトクロミック線量計材料をもちいたファントムでは、ファントム内の線量を測定するための読み取り方式が、RPL線量計タイプのものと異なるため、新しい線量読み取り装置の考案と開発に取り組む予定である。
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Research Products
(3 results)