2017 Fiscal Year Research-status Report
身体心理学的アプローチを取り入れた看護師のストレスケアプログラムの開発と効果検証
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16K09065
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
中口 智博 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30571690)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
明智 龍男 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (80281682)
奥山 徹 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (80349349)
中野 有美 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60423860)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 産業精神衛生 / メンタルセルフケア / 身体心理学 / 共感疲労 / トラウマティックストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、他職種に比べてストレスが大きいとされる看護師の共感疲労やトラウマティックストレスに焦点を当てたメンタルセルフケアプログラムの開発と効果判定を行うものである。研究代表者は、看護師の情動レベルのストレス軽減には、従来の認知に働きかける介入だけでは不足であると考え、トラウマ治療で使われる身体心理学の技法を援用して、看護師が勤務時間の合間でも単独で実施できるようなストレスケアの教育ワークショッププログラムの修正を初年度から重ねてきた。介入群には約6時間のワークショップでセルフケア技法を教授する予定であるが、パイロットスタティのデータ解析では、セルフケア技法の使用頻度が参加者によってばらつく傾向がみられ、そのことが介入効果にも影響する可能性が示唆された。また、参加者のセルフケア実施頻度には、技法の手順への理解度に加えて、どのような時に技法を使えばよいのか、取り扱えるストレスの対象や実施タイミングの理解度が影響している可能性があったため、そうした問題を解決するために、初年度で終了する予定であった介入プログラムの改良と、介入後にセルフケア技法の使用頻度がある程度維持されるよう参加者に働きかける方法についての検討を2017年度も継続する必要があった。初年度に作成した教育プログラム(第2版)では、教材の記載内容をより簡便にすることで手順の理解の向上を図ったが、第3版においては、セルフケアの仮想使用例や例題を追加して、様々なストレス場面で応用できる可能性を示す工夫を行った。またこの1年間でのトラウマ治療に関する新たな知見を取り入れて、イメージ暴露の要素においても、より安全に情動を取うセルフケアプログラムとなるよう手順にさらなる改良を加えた。こうして2017年度において介入プログラムを完成したため、2018年度初頭で臨床研究計画に関する所属先倫理委員会での承認取得の準備が整った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度で終了する予定であった介入プログラムの改良を継続し、平成29年度にて完了した。臨床研究計画に関する所属先倫理審査委員会の承認取得を平成30年度初頭に変更している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は、所属先での倫理審査委員会の承認取得を経て同医療機関での介入を行う。その後、介入を予定している他の医療機関の倫理審査委員会で承認を得次第、順次介入を行ってデータベースを構築する。
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Causes of Carryover |
研究の進捗が当初の計画より遅れているため、研究費を次年度に繰越すこととなった。 繰越した研究費は、調査協力に対する謝品代やデータ整理と入力のための人件費等に使用する予定である。
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