2018 Fiscal Year Research-status Report
RCAを活用した虐待事例分析法の確立と虐待予防対策の展開に関する研究
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16K09153
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Research Institution | National Institute of Public Health |
Principal Investigator |
松本 珠実 国立保健医療科学院, その他部局等, 客員研究員 (00758469)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
種田 憲一郎 国立保健医療科学院, その他部局等, 上席主任研究官 (10399454)
森永 裕美子 香川大学, 医学部, 教授 (50756591)
川崎 千恵 国立保健医療科学院, その他部局等, 主任研究官 (80648212)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 児童虐待 / 高齢者虐待 / 事例分析法 / 疲弊 / MBI / 自治体職員 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.全国の市・区役所(973か所)で児童虐待及び高齢者虐待への対応をしている実務者各1名を対象として無記名自記式アンケートを実施し,児童虐待への対応のために行われている事例検討の課題を高齢者虐待との比較により明らかにした.児童では,高齢者に比べて事例検討に要する時間が長く,スパービジョンを求める割合が高かった.事例検討の目的では支援方針の決定や役割分担の決定が85%以上と高く,虐待か否かの判断や重症度・緊急度判断,分離の要否を目的とする割合は低かった.事例検討が事例提供者の負担軽減やスキルアップにつながるという利点を感じている割合は低く,事例対応の困難な点として有効な解決策の無さを8割が挙げ,転出入を2割が挙げるなど,高齢者虐待と有意な差があった. 2.児童虐待対応をしている自治体職員の疲弊をMBI-GSで測定し,高・中・低の3群に分けたところ,専門職>事務職、係長級>係員・課長代理級以上,「休日・時間外対応や児支援プログラムの不足にストレスを感じている」,「事例検討の時間が取れない」,「事例検討では事例提供者が責められるのではないか不安である」,「事例検討方法や様式に関する支援を求めている」,「職務上相談できる上司や同僚がいない」,「児童相談所や他分野との役割分担が不適切であるとの主観」が疲弊の高い群に有意に高かった. 3.上記で明らかになった自治体職員の疲弊の軽減及び事例検討の課題解決を図るために事例分析方法と様式を開発した。開発にあたっては14か所の市・区で児童虐待・高齢者虐待の事例検討会を平均10名の参加により16回試行し,事例検討会の観察や参加者へのインタビュー・事例提供者へのアンケートより分析した.これらの結果から汎用性のある「Root Case Analysis を活用した虐待事例分析法実践ガイド」を作成し,印刷物として試行した自治体に配布し,活用を促した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画どおり事例分析法を確立し、テキスト化を図ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
さらに学会での発表や論文の投稿、作成したガイドラインの普及により広く公表する予定である。
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Causes of Carryover |
開発した事例分析法の公表、周知を行うため。 (1)事例分析法の研修会の開催 交通費30,000円、会場費20,000円、テキスト印刷代100,000円、消耗品10,000円(2)学会参加 旅費60,000円、ポスター印刷10,000円(3)テキスト郵送費 10,000円(4)消耗品費 11,618円
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Research Products
(1 results)