2017 Fiscal Year Research-status Report
手術中における消化器外科医のストレス評価及び医療安全を目指した基礎的データの構築
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16K09176
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
迫田 雅彦 鹿児島大学, 医歯学域附属病院, 助教 (40418851)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
夏越 祥次 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (70237577)
南 幸次 鹿児島大学, 附属病院, 医員 (70724235) [Withdrawn]
飯野 聡 鹿児島大学, 医歯学域附属病院, 助教 (80598003)
川崎 洋太 鹿児島大学, 附属病院, 医員 (90770420)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 手術 / 外科医 / ストレス / 医療安全 / 医療事故 / 唾液アミラーゼ活性 / 心拍数 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、まずストレス評価法の確立を目指し、診療以外のストレス環境下での生理学的ストレス評価と唾液中アミラーゼ測定による生化学的ストレス評価を行った。また、コントロール目的に日常生活(安静時、日内変動、食前後、運動不可前後)での測定も行った。経時的な心拍数モニターについては測定機器を胸部貼付型の心拍数モニターに変更したが、安定して測定可能であることが確認できた。生化学的評価にしてもストレス環境下では明らかに唾液中アミラーゼ活性が上昇することが確認できた。 平成29年度に入り、まずは腹腔鏡下手術トレーニング用のドライボックスを用い、縫合結紮練習後の変化を測定した。被験者は医学部実習生、後期研修医、ポスドク、指導医で全ての世代において練習後のストレス評価測定項目の上昇を認めたが、その程度には差を認め、経験年数やキャリアによる差異が存在することを確認できた。 実臨床としては、手術操作に影響しない範囲で測定を導入開始し、血圧、動脈血酸素飽和度、唾液中アミラーゼ活性については、手術前後の測定を行っている。また、胸部貼付型の心拍数モニターについては、まずは申請者自身が違和感を感じることがないレベルまで日常的に装着し、執刀以外の第一、第二助手での測定を行った。対象手術は定型的に問題なく行えると判断された腹腔鏡下胆嚢摘出と小範囲の肝切除術としている。現在、心拍モニター装着の被験者を増やし、執刀医の測定や対象手術の拡張を進めている。 ただし、年齢、性別、個人の性格等でもストレスの感じ方は異なってくることが予想されるため、その点については測定被験者を増やしたり測定回数を増やすなど更なる工夫の必要性を認識している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の実臨床以外でのストレス評価測定の確立を終え、29年度は実臨床での測定を開始できた。研究内容としては申請内容に沿って進んでおり、おおむね順調に進展していると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、実臨床における手術中のストレス評価を継続して進めていく予定である。 対象手術としては① 高難度手術(肝葉切除、拡大肝葉切除、肝中央二区域切除等)② 高難度以外の短時間手術(肝外側区域切除、肝部分切除)③ 腹腔鏡下肝切除で、当科においては胃、大腸、膵臓、食道等、消化器全般を扱っているので、他臓器の手術についても同手法でストレス評価を行い、消化器外科全般において臓器横断的な検討を行う。
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[Journal Article] Surgical treatment for the excluded bile leakage from Spiegel lobe after right hemihepatectomy: A case report. I2017
Author(s)
Fukuhisa H, Sakoda M, Hiwatashi K, Iino S, Minami K, Hashiguchi M, Kawasaki Y, Kurahara H, Mataki Y, Maemura K, Shinchi H, Ueno S, Natsugoe S
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Journal Title
International Journal of Surgery Case Reports
Volume: 39
Pages: 159-163
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Bidirectional Approach of Video-Assisted Neck Surgery (BAVANS): Endoscopic complete central node dissection with craniocaudal view for treatment of thyroid cancer.2017
Author(s)
Akihiro Nakajo, Hideo Arima, Munetsugu Hirata, Yoshie Yamashita, Yoshiaki Shinden, Naoki Hayashi, Yota Kawasaki, Takaaki Arigami, Yasuto Uchikado, Shinichiro Mori, Yuko Mataki, Masahiko Sakoda, Yuko Kijima, Yoshikazu Uenosono, Kosei Maemura & Shoji Natsugoe.
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Journal Title
Asian J Endosc Surg.
Volume: 10(1)
Pages: 40-46
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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