2018 Fiscal Year Research-status Report
乳がん患者の予後改善を目指す心理療法:自律性とQOLを指標とした予備的研究
Project/Area Number |
16K09245
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
永野 純 九州大学, キャンパスライフ・健康支援センター, 教授 (10325483)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植木 啓文 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 非常勤講師 (60232732)
中口 智博 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 助教 (30571690)
松岡 弘道 近畿大学, 医学部附属病院, 准教授 (20425078)
田代 雅文 熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (60264305)
尾木 秀直 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 助教 (10315426)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 悪性腫瘍 / QOL / 自律性 / 予後 / 心理療法 / オートノミー |
Outline of Annual Research Achievements |
「WEB質問票回答システム」で用いる質問票のうち、妥当性の確認が済んでいないものについて、これを検討するための調査データ収集を平成29年度より行っていたが、平成30年度はこれを完了し、解析を開始した。つぎに、オートノミートレーニングの効果について乳がん患者のオートノミー性およびQOL(生活の質)を効果指標としたパイロット介入試験についてであるが、これは当初計画を一部変更して実施した。すなわち、オートノミー性およびQOLのみでは、オートノミートレーニングの効果指標として不十分であって、乳がんの経過や予後と関連する可能性のある生物学的指標を加える必要があると考えられた。ただし、どのような指標が適切であるのかについて、探索的に基礎的データを収集する必要がある。そのため、九州大学病院の乳腺外科と心療内科の協力を得て、以下のような予備研究へと計画変更を行った。
対象:適格基準は20歳以上70歳未満の女性、術後2年間再発がないこと、支障なく日本語での面接が可能であること。除外基準は他のがんの既往、最近のステロイド治療歴、免疫系に影響する疾患があること。デザイン:単群前後比較介入研究。評価項目:神経・内分泌・免疫系に関する生物学的指標、腫瘍学的指標、および心理面や生活習慣に関する行動学的指標を系統的に測定し、これらについて探索的に解析する。
九州大学病院の臨床試験倫理審査委員会において上記研究計画の審査を受け、承認された。そのうえで、目標登録症例数を20として、乳腺外科において協力患者のリクルートを開始した。そして、(一社)日本オートノミー協会の認定による治療者「オートノミートレーナー」複数名を招き、心療内科において介入のための面接を開始した。次年度は、リクルートおよび介入面接を完了し、追跡調査を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画よりもやや遅れているが、その理由は次の通りである。 1.WEBシステムで用いるアンケートの妥当性検証のための研究が遅れた。その理由は昨年度の報告書に記載した。 2.乳がん患者への介入研究の協力施設を変更する必要があった。その事情は昨年度の報告書に記載した。 3.乳がん患者への介入研究の計画を修正する必要があった。その事情は上で述べた。
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Strategy for Future Research Activity |
1.アンケートの妥当性検証のための調査が完了し、解析を開始できた。 2.乳がん患者への介入研究を実施するにあたり、新たな施設による協力を得ることができた。 3.乳がん患者への介入研究につき、新たな施設の研究者とともに研究計画を修正し、施設内委員会での倫理審査を経て、研究を開始することができた。
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Causes of Carryover |
乳がん患者への介入研究の開始が遅れたため、次年度使用額が生じた。次年度中に行う追跡調査では、アンケート回答データの収集に加えて、生物学的指標(血液検査や心拍変動データ)の測定も行う計画である。
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Research Products
(1 results)