2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K09323
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
川島 麗 北里大学, 医療衛生学部, 講師 (70392389)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 憲子 北里大学, 医学部, 助教 (20406929)
市川 尊文 北里大学, 医療衛生学部, 教授 (30245378)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | H2受容体 / ヒスタミン / 小腸 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、ヒスタミンH2受容体シグナルの胃以外の消化器官に対する作用を探ることであり、これまで、ヒスタミンH2受容体シグナルは、胃酸分泌がその主な作用として考えられていたこと、さらに、申請者が最近、H2遮断薬が小腸組織傷害を緩和することを見出したことから、「小腸」におけるヒスタミンH2受容体の役割を解明することを主題としたものである。初年度である28年度は、小腸におけるヒスタミン受容体の発現を確認した。まず、正常マウスBALB/cの小腸組織からRNAを抽出し、ヒスタミン受容体H2のmRNA発現をリアルタイムPCRにて検出した。小腸を口腔側から肛門側まで8分割し、それぞれの発現を比較したところ、どの部位においても発現が確認されたが、特に肛門側(特に回腸中央部)において発現が高く、口腔側(空腸)より10倍近い発現が認められた。しかしながら、発現が比較的高い回腸中央部における発現であっても、胃の数十分の1程度の発現量であった。また、そのリガンドであるヒスタミンのmRNA発現を確認したところ、ごくわずかにバンドが確認できる程度の発現であった。加えて、正常マウス小腸組織のホモジェネートにおけるヒスタミンの存在をELISAにて確認したところ、検出限界以下という結果となり、遺伝子発現およびタンパク質発現の結果の双方を加味すると、正常な状態のマウス小腸組織内のヒスタミン量は極めて少なく、傷害および炎症等の発現誘導を施した場合に発現上昇が見られるものと推察された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
PCRの条件設定およびサンプル調製等が順調に進んだことなどから、当初の計画通りの進行状況となった。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、傷害シグナルはH2受容体を介するのかを明らかにする。放射線誘導性消化管傷害マウス小腸組織を用いてH2受容体発現とその下流シグナルを解析する。場合によっては、大腸癌上皮細胞株を用いて、単一細胞での現象を捉えることで、一個体内でのクロストークによるものなのか、細胞内単体でも起こりうる事象であるかを検討事項とする。
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Causes of Carryover |
実験が比較的順調に進行し、遺伝子解析の条件設定等にかかる費用が削減できたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
以後は実験動物系を重点的に行う予定であるため、疾患誘導性モデル動物の作成の安定化のための費用として充当する予定である。
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