2018 Fiscal Year Research-status Report
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16K09323
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| Research Institution | Kitasato University |
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Principal Investigator |
川島 麗 北里大学, 医療衛生学部, 講師 (70392389)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 憲子 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 外科系専門診療部, その他 (20406929)
市川 尊文 北里大学, 医療衛生学部, 教授 (30245378)
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| Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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| Keywords | 放射線 / H2ブロッカー / ムチン |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本課題は、ヒスタミンによる腸管細胞傷害とH2ブロッカーによる傷害緩和のメカニズムを解明することである。本年度の研究目標は、H2ブロッカーの血球系細胞における影響と粘膜防御に対する効果を検証することであった。放射線照射後、尾部から採取した血液の血球数をカウントした。照射4日後には、赤血球数は投与前と比較して約80%程度まで、白血球数は15%程度までそれぞれ減少した。一方で、H2ブロッカー投与群においても同様の減少が見られ、H2ブロッカーによる造血系に対しての全身性レスキューは得られなかった。続いて、末梢での出血傾向を検証するため、組織標本を作成し、小腸絨毛組織に漏れ込んだ赤血球を視覚的に観察し、絨毛あたりの血球数をカウントし、評価したところ、照射線量（３Gy、5Gy、7Gy）が上がるつれ、血球数が上昇し、H2ブロッカー投与群で、顕著に低下した。これより、H2ブロッカーは少なくとも消化管の出血傾向を抑制する効果があることが明らかとなった。またムチン量を比較するため、小腸組織からムチンを抽出した。照射後のムチン量は、コントロール群に比べて増加したが、H2ブロッカー投与群では、さらに増加した。以上より、照射後４日目にはすでに回復が開始されている状態で、自己防御により、ムチン増加が見られているものと考えられた。そして、H2ブロッカーによりさらに回復が助長され、粘液による防御能が促進しているものと示唆された。ただし、大腸においては、上記のような傷害と回復の傾向は見られず、放射線感受性およびH2ブロッカーの作用点について、小腸と大腸では大きく異なると考えられた。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
事前に実験シミレーションを行い、マウスの体温調節管理を行うなどの工夫により、血液採取がスムーズに進行したこと、マウス個体差が少なく、安定したデータが得られたことにより、その後のデータの解析と精査に入念に行うことができた。
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| Strategy for Future Research Activity |
これまでに、放射線照射により傷害をうけた消化管粘膜にH2ブロッカーを補うと、防御機能が割増されることが明らかとなったが、ムチン種についても解析する必要があると考え、今後はPGM34抗体、HIK1083抗体を用いた免疫化学的染色法により粘膜防御のメカニズムの詳細に迫る予定である。
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| Causes of Carryover |
（理由）放射線照射によるモデルは予想以上に安定した傷害となり、データの精査、動物の匹数や動物維持に関わる費用が削減できたことによる。
（使用計画）今後は、本格的にムチンの抽出に取り掛かる予定であり、ムチン分離装置および定量装置のメンテナンス費に充当したい。
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