2016 Fiscal Year Research-status Report
早期消化管癌における低侵襲治療の安全性および確実性の向上を目指した注入術の開発
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16K09411
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Research Institution | 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター) |
Principal Investigator |
浦岡 俊夫 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター), その他部局等, 医師 (80448216)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柚木 俊二 地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター, 開発本部開発第二部バイオ応用技術グループ, 主任研究員 (20399398)
成田 武文 地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター, 開発本部開発第二部バイオ応用技術グループ, 研究員 (20640056)
矢作 直久 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 教授 (90292937)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 低侵襲治療 / 早期消化管癌 / コラーゲンゲル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、低侵襲治療である早期消化管癌の内視鏡的切除で生じる偶発症を抜本的に解決する策として、粘膜下層へのコラーゲンゲル注入術の出血予防・潰瘍治癒効果を実証し、その作用機序を解明することを目的として開始した。また、本研究結果は、内視鏡治療の 安全性を高めてその普及に貢献するのみならず、潰瘍治癒メカニズムの解明や新規治療法の創出 にも貢献することが期待される。 初年度(平成28年度)の研究計画は、①ex vivoによる注入用コラーゲンゲルの調整(条件決定) と②生体ブタを用いた非臨床試験(急性実験) にて粘膜下局注剤としての粘膜下膨隆維持性と出血抑制効果を段階的に実証することであった。 ①研究分担者である柚木、成田が担当した。これまでの確立したコラーゲンゲル注入術の物性制御法を用いて、生体注入用コラーゲンを12 点調製した。ブタ切除胃を用いてこれらの粘膜下膨隆形成能及び病理組織学的な評価を行った。②研究代表者である浦岡が主に担当し、研究分担者である柚木、成田が材料提供した。生体ブタの胃を用いて、粘膜下膨隆形成および維持性を既存の局注剤(生理食塩水およびヒアルロン酸ナトリウム水溶液)と内視鏡的に比較した。ブタの安楽死後に胃を摘出し、肉眼的・病理組織学的な評価も行った。 初年度のおける研究実施は、上記目的を達成するためのステップとして重要であり、概ね計画通り進めることができたことは意義深い。次年度には、生体ブタを用いた慢性実験を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究代表者と研究分担者が、実験を共同で行い、ミーティングやメール審議を重ねるなど十分な研究体制が確保されたことが、概ね順調に進展させて来られた大きな理由である。 研究経費を十分に活用し、研究計画を進めることができた。①ex vivoによる注入用コラーゲンゲルの調整(条件決定) は順調であった。一方で、今後の進捗結果により微調整する可能性はある。②生体ブタを用いた非臨床試験(急性実験) にて粘膜下局注剤としての粘膜下膨隆維持性と出血抑制効果を段階的に実証するにおいても、予定数のブタを使用することができ、順調であった。病理組織学的評価が年度内に十分できておらず、次年度においても継続させる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度は、概ね順調に進展した。不足分は補足しながら、次年度も、研究助成交付申請書の通り、実験を進めていく。
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Causes of Carryover |
研究計画は概ね予定通り実施することができたが、実施が十分でなかった点があったことと、未使用額の発生は効率的な物品調達を行った結果である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
翌年度の消耗品購入に充てる予定である。
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Research Products
(7 results)