2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K09467
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
久米 輝善 川崎医科大学, 医学部, 講師 (60341088)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上村 史朗 川崎医科大学, 医学部, 教授 (60224672)
山田 亮太郎 川崎医科大学, 医学部, 講師 (70388974)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 不安定プラーク / 血管内イメージング / ウサギ |
Outline of Annual Research Achievements |
基礎的データを収集する目的でウサギを用いた以下の検討を行った。遺伝性動脈硬化自然発症ウサギ(WHHLウサギ)では、血管内イメージング(光干渉断層撮影法(OCT)/血管内超音波法(IVUS)を用いて大動脈プラークの観察と病理組織との直接比較検討を行った。大動脈プラークでは線維成分が主成分であり、大きな脂質コアや、薄い線維性被膜、マクロファージ浸潤などのプラークの不安定性に関連する所見に乏しく、OCT/IVUSとの比較検討が困難であった。一方、実臨床での研究に関しては、川崎医科大学における冠動脈疾患のコホートを利用し、急性冠症候群で緊急冠動脈ステント留置術を行った280症例を対象に、表在冠動脈すべてを血管内イメージング(光干渉断層撮影法(OCT)/血管内超音波法(IVUS)にて評価し、プラークの不安定性を評価した。今後、フォローアップ(6か月~12か月後)冠動脈造影におけるステント内再狭窄、新たな冠動脈狭窄病変の有無や、心血管イベントに基づく入院、心血管死、全死亡等を調べる予定である。また、フォローアップ時においても血管内イメージングを行い、プラーク不安定性の変化を評価する。プラークの不安定性と生化学所見(血糖値やHbA1c値、LDLコレステロール、EPA/AA比等)との関連も検討する。また、血糖値やHbA1c値の推移や併用薬剤(DPP-4阻害剤、SU剤、ビグアナイド系、αグルコシダーゼ阻害剤、ピオグリタゾン、インスリン製剤)により線維性被膜厚やプラーク量の変化等に差があるかどうかも検討する。また脂質異常症や糖尿病の病歴の長さや、糖尿病性腎症・網膜症の有無・程度も評価し、プラークの不安定性と関連があるかも検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
急性冠症候群で緊急冠動脈ステント留置術を行った280症例全例のフォローアップ期間が経過していないために、計画の遅れが生じている。そのため次年度使用額が生じた。今後、フォローアップデータがそろい次第、冠動脈プラークの不安定性と予後との比較検討を行う予定である。また、研究結果がでていないために学会発表できていない。そのため予算として計上していた旅費は使用しなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
血管内イメージングのデータ収集漏れがないように、フォローアップの心臓カテーテル検査時にはできるだけ全症例で血管内イメージングを行うようにする。また、フォローアップで、データのロストがないように、可能な限り当院にて定期的な外来フォローアップを行う。当院への通院が困難な場合には、電話調査にて状況を把握するように努める。
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Causes of Carryover |
虚血性心疾患に対して冠動脈ステント留置術を行った280症例のフォローアップ期間が経過していないために、計画の遅れが生じている。そのため次年度使用額が生じた。プラークの観察のために血管内イメージングを購入・使用する予定である。
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