2018 Fiscal Year Research-status Report

COPDと心血管疾患の臓器相関の新機序解明に向けたガレクチン-3の役割の探索

Research Project

Project/Area Number	16K09560
Research Institution	Nippon Medical School
Principal Investigator	平松久弥子日本医科大学, 大学院医学研究科, 特別研究生 (40409173)
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha)	石井健男日本医科大学, 大学院医学研究科, 研究生 (90445750) 神尾孝一郎日本医科大学, 医学部, 講師 (20465305) 宮武佳子医療法人社団あんしん会四谷メディカルキューブ(臨床研究管理部), 循環器内科, 部長 (10267213) 木田厚瑞日本医科大学, 医学部, 教授 (90142645) [Withdrawn] 新井富生地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (20232019)
Project Period (FY)	2016-04-01 – 2021-03-31
Keywords	COPD / 心血管併存症 / 心筋傷害 / ガレクチン-3
Outline of Annual Research Achievements	心筋傷害や心筋線維化のバイオマーカーとしても注目されている血清中galectin-3濃度を測定し、COPDにおける全身性炎症および心肺機能障害との関連につき、縦断的に検討するとともに、galectn-3の遺伝子多型が心血管疾患を併存しやすい遺伝的背景となり得るかを検証し、新たな診断方法あるいは予防・新規治療戦略への臨床応用に展開するための基盤となることを目的として、現在、研究計画に沿って研究を進行中である。まず、課題「COPDと心血管疾患の臓器相関の新機序解明に向けたガレクチン-3の役割の探索」につき、平成28年11月に本学の倫理審査委員会の承認を得たのち、安定期のCOPD患者群および対照群を、インフォームド・コンセントのもとに順次登録し、COPD患者群99例、対照群23例を集積した。それらの対象症例において、胸部CT、心臓超音波検査、呼吸機能検査、6分間歩行試験、血液検査といった臨床検査を半年間ごとに行い、各検査結果のデータ登録作業を引き続き進め、研究期間中の経時的変化も追える状態でデータ管理を行っている。採取後、遠心分離を行い血清を分注した上で-80度で凍結保存してあった血液検体につき、血清中のgalectin-3、高感度トロポニンTといったバイオマーカーを計測した。また、平行して、虚血性心疾患、不整脈、心不全、肺循環疾患、血管系疾患の併発の有無につき、診療におけるカルテ記録の確認を行っている。galectin-3、troponin-Tをはじめとした血清マーカーの測定値と、各種臨床データとの関連につき、今後、解析を進めていく予定である。また、現段階で心血管疾患が新規発症した症例の詳細についても、診療カルテベースで確認作業を進めていく予定である。
Current Status of Research Progress	Current Status of Research Progress 2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned. Reason 本大学倫理委員会の審査、承認が平成28年11月と遅かったためその後の始動となり、当初はやや計画から遅れていたが、その後の対象症例の集積は順調に運び、血液検体について、血清中のgalectin-3、高感度トロポニンTといったバイオマーカーのを測定までは施行済みとなっている。また、各種臨床検査データは、半年ごとに経時的変化も追える状態で保存してあり、解析準備段階となっている。
Strategy for Future Research Activity	前述のとおり、血清中galectin-3、-T高感度トロポニン-Tといったバイオマーカーの測定は施行済みであり、現在、解析段階に入っており、今後、臨床検査データとの関連を含め、解析、検討をを進める予定である。臨床的に有意義なバイオマーカーが検出された場合、遺伝子多型なども含めさらに研究を掘り下げる方針とする。
Causes of Carryover	今年度に血清中ガレクチン-3、高感度トロポニンTなどのバイオマーカーを測定する予定で昨年度以前からの繰越があり、その中で全8項目を外部委託にて測定した。次年度は主にデータ解析を主に進め、その後に遺伝子解析を実施する予定であり、次年度にそれらを実施する費用に充てる予定である。