2022 Fiscal Year Research-status Report
COPDと心血管疾患の臓器相関の新機序解明に向けたガレクチン-3の役割の探索
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16K09560
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
平松 久弥子 日本医科大学, 医学部, 研究生 (40409173)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 健男 日本医科大学, 大学院医学研究科, 研究生 (90445750)
神尾 孝一郎 日本医科大学, 医学部, 講師 (20465305)
宮武 佳子 医療法人社団あんしん会四谷メディカルキューブ(臨床研究管理部), 循環器内科, 部長 (10267213)
木田 厚瑞 日本医科大学, 医学部, 教授 (90142645) [Withdrawn]
新井 富生 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (20232019)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | COPD / 心血管併存症 / 心筋傷害 / ガレクチン-3 / 運動耐容能 |
Outline of Annual Research Achievements |
心筋傷害や心筋線維化のバイオマーカーとしても注目されている血清中galectin-3濃度を測定し、COPDにおける全身性炎症および心肺機能障害との関連につき、縦断的に検討するとともに、galectin-3の遺伝子多型が心血管疾患を併存しやすい遺伝的背景となり得るかを検証し、新たな診断方法あるいは予防・新規治療戦略への臨床応用に展開するための基盤となることを目的として、現在、研究計画に沿って研究を進行中である。 まず、課題「COPDと心血管疾患の臓器相関の新機序解明に向けたガレクチン-3の役割の探索」につき、平成28年11月に本学の倫理審査委員会の承認を得たのち、安定期のCOPD患者群および対象群を、インフォームド・コンセントのもとに順次登録し、COPD群99例、対照群23例を集積した。 それらの対象症例において、胸部CT、心臓超音波検査、呼吸機能検査、6分間歩行試験、血液検査といった臨床検査を半年ごとに行い、各検査結果のデータ登録作業を継続して行い、研究期間中の経時的変化も追える状態でデータ管理した。 血液検体において、血清中のgalectin-3、高感度トロポニンT、高感度CRP、などのバイオマーカーを測定し、それらの値と各種臨床検査データとの関連につき、統計解析作業を行った。 galectin-3と主に運動耐容能との関連性が見出されたが、呼吸機能障害ならびに心機能低下、あるいは炎症性マーカーとの有意な関連性は見いだせず、病理検体での検討やgalectin-3の遺伝子多型の検討を行うことを断念した。 主な解析結果につき検証、考察をまとめ、論文を作成し、一医学誌に投稿したが受領されなかったため、再検証と考察を練り返して別医学誌への投稿準備を進めているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ禍が続き、臨床診療に携わる時間的制約から思うように当該研究に向かう時間を割けずに計画が遅延した。 さらに、仮説で考えていたような陽性データが十分導き出せず、結果のまとめと考察に時間を要した。 主な解析結果につき検証、考察をまとめ、論文を作成し、一医学誌に既に投稿したが受領されなかったため、再検証と考察を練り返して別医学誌への投稿準備を進めているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、さらにご承認いただいた研究期間延長期間を有効に使い、いずれかの医学誌に投稿受領されるべく、研究結果の再検証と考察を深め、論文修整を図る予定である。
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Causes of Carryover |
当初の研究計画では、心血管疾患併存症発症に関わるバイオマーカーに関しての遺伝子多型に関する検討も行う予定であったが、血清中のgalectin-3と各種臨床検査データとの解析を進める中で仮説で想定していたほどの関連性が明らかにはならなかったため、遺伝子多型に関する検討を見合わせ、次年度使用額の繰り越しが生じた。 また、現在論文を作成し、英文校正を経て一医学誌に投稿したが受領されなかったため、投稿費用が発生していない状態で課題を残しており、現在推敲作業中である。 今年度内に、再度英文校正を行い、論文投稿費用ととして研究費を使用する予定である。
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