2017 Fiscal Year Research-status Report
薬剤性肺障害における内皮細胞由来EMPsの臨床マーカーとしての可能性探索
Project/Area Number |
16K09563
|
Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
臼杵 二郎 日本医科大学, 医学部, 講師 (80318477)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
板倉 潮人 日本医科大学, 医学部, 助教 (50511804)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | EMPs / 特発性間質性肺炎 / 薬剤性肺障害 / フローサイトメトリー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は薬剤性肺障害と間質性肺炎(特発性間質性肺炎のうちIPFとI-NSIP)における内皮細胞の関与について解明することを目的とする研究である。肺胞上皮細胞由来のマーカーが既に臨床応用されているのに比べ、現在血液から測定できる内皮細胞マーカーはほとんどなく、臨床的に血管内皮細胞傷害を推測するのは困難である。そこで血漿中の内皮細胞由来の微小粒子(EMPs)を測定し、さまざまな臨床所見との関係を観察しながら、EMPsの臨床マーカーとしての可能性も含めて検討するのが本研究の主眼である。 本年度はまず症例の集積を進めるため、新たな参加施設(東京臨海病院)において倫理委員会の審議を経た上で共同研究の形とした。これに伴い、検体の送付や臨床データの登録に関しても、システムの変更を行った。約半年の間に特発性慢性間質性肺炎8例、薬剤性肺炎1例が新たにエントリーされ、さらに特発性間質性肺炎については、2回目(半年後)の検査を実施する症例も出ている。 EMPsについては、フローサイトメトリーを用いVE-cadherin (CD144), E-selectin (CD62E), MCAM (CD146), PECAM-1 (CD31)を測定し、さらに肺動脈には乏しいとされるvon Willebrand factorのある場合とない場合で検討を行っている。まだ少数例の解析だが、特発性慢性間質性肺炎ではE-selectin陽性EMPsの相対的な増加傾向が見られた。今後も症例のエントリーを増やし、他の臨床マーカーも含め解析を進める予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
参加施設を増やすことで、これまで進んでいなかった症例登録に関して、前年度に比べかなり改善を認める。しかし、目標症例数には達していない。
|
Strategy for Future Research Activity |
まずエントリー症例数を増やし計画に沿って研究を円滑に進めるため、各施設の研究協力医との連絡を密にし、実施すべき検査などに遺漏がないように努める。その上で随時血漿検体を受託機関に送付し、EMPsの測定を行う。
|
Causes of Carryover |
これまで少数例のEMPsの解析を受託機関で行ったが、まだ試験的なものであり平成29年度の支出に反映されていないため次年度使用額が生じた。 平成30年度は複数機関での症例集積と検体の解析を行うことで、助成金の使用は格段に増えると予想される。さらに学会発表に伴う支出も予定される。
|