2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K09622
|
Research Institution | St. Luke's International University |
Principal Investigator |
中山 昌明 聖路加国際大学, 聖路加国際病院, センター長 (60217940)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺脇 博之 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (20277057) [Withdrawn]
渡邉 公雄 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (20595607) [Withdrawn]
林 義満 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (70381382) [Withdrawn]
朱 万君 福島県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (10607774) [Withdrawn]
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 腹膜透析 / 腹膜中皮細胞 / 透析液生体適合性 / 水素 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までの研究にて、水素ガス(H2)を含有する腹膜透析(PD)液の腹膜中皮細胞に対する保護効果を基礎的検討にて確認することができた。これを踏まえて、実際のPD患者を対象としたH2含有PD液の効果と安全性について早期の予備的・探索的な短期検討を行った。具体的な方法として、水の電気分解にて得られる高濃度H2を含有した水の中に、一定時間以上、ソフトバッグの腹膜透析液バッグを漬けおきすることで、水中のH2がPDバッグの透析液中に自然拡散現象により付加することができる。このようにして作成さらにH2含有PD液を用いて、PD患者に対して単回、あるいは一日1から2回の使用を10日間行い、安全性、透析効率への影響、排液中酸化ストレスや腹膜障害サロゲートマーカーの影響を検討した。その結果、単回(4時間停滞)の使用では、停滞時間中の身体所見・バイタル所見、透析効率に特に変化はなかったが、排液中の還元型アルブミン比率がコントロールの通常透析液使用時と比較して上昇していた。10日間の連続使用では、身体所見・バイタル所見、透析効率、その他の血液生化学パラメータ―に特に変化はなかったが、一部の例で排液中中皮細胞の活性指標の上昇が観察された。 以上の検討結果より、H2含有PD液の臨床的影響を検討する意義はあると考え、さらに、多人数での臨床検討を行うための準備として、在宅で水素含有腹膜透析液を作成できる家庭用の水素含有腹膜透析液の作成機器のプロトタイプを作成した。機器は、患者が自宅試使用することを想定し、2バッグ分の処理化可能なシステムとした。機器の概要は、水電気分解・バッグの漬けおき水槽・熱水による水槽と電解層の自動洗浄機、そして稼働状況を表示するパネルから構成される。試作機を作成するも、患者自宅に置くためには去らなく小型化が必要と判断し、さらに試作機を改良することとした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計画していた早期の予備的な臨床研究の実施と解析を行い、さらに、臨床研究を進めるためのH2付加機器を作成した。本来の計画では、作成した機器を用いた予備的な臨床試験を実施することになっていたが、プロトタイプ機器が完成したのが平成30年末であり、さらに、本機器を実際に患者自宅にて使用させるには安全性と操作の簡便性の観点から改良点が多いことが判明した。このため、機器の改良を行うこととした。 上述した理由で研究遂行に遅れが生じたものの、研究機関を延長すれば、当初の計画に沿って研究を完了することができると考えている。このため、研究期間を延長して、研究を進めることとした。
|
Strategy for Future Research Activity |
安全でかつ操作が簡便な「PD液にH2を付加する機器」を完成させる。非臨床試験による機能と安全性に関する検討結果を踏まえて、本機器を用いた予備的な臨床検討を計画する。 対象として安定PD患象を5例、当該機器を用いたオープンラベルの検討で、同一患者内での比較を行う。具体的には当該機器を用いて作成したPD液を一日1回4週間にわたって使用する。主評価項目は安全性、透析機能の非劣性、その他、排液マーカーの変動である。機器使用前の検体を対照として機器使用中の排液中の各種マーカーを比較する。プロトタイプが完成すれば、東北大学病院に当研究の倫理申請を行う予定である。
|
Causes of Carryover |
臨床試験用の機器の委託作成費用のために与点を計上していたが、試験用機器が完成しなかったために、その予算額を次年度に繰り越したのが理由である。
|
Research Products
(12 results)
-
-
-
-
-
[Journal Article] Decline in estimated glomerular filtration rate is associated with risk of end-stage renal disease in type 2 diabetes with macroalbuminuria: an observational study from JDNCS2018
Author(s)
Shimizu M, Furuichi K, Toyama T, Funamoto T, Kitajima S, Hara A, Ogawa D, Koya D, Ikeda K, Koshino Y, Kurokawa Y, Abe H, Mori K, Nakayama M, Konishi Y, Samejima KI, Matsui M, Yamauchi H, Gohda T, Fukami K, Nagata D, Yamazaki H, Yuzawa Y, Suzuki Y, Fujimoto S, Maruyama S, Kato S, Naito T, Yoshimura K, Yokoyama H, Wada T
-
Journal Title
Clinical and Experimental Nephrology
Volume: 22(2)
Pages: 377~387
DOI
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-
-