2018 Fiscal Year Annual Research Report
Deveopment of methods to establish cell-line of parathyroid cells
Project/Area Number |
16K09628
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
角田 隆俊 東海大学, 医学部, 教授 (50276854)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金井 厳太 東海大学, 医学部, 講師 (00535221)
澤田 佳一郎 東海大学, 医学部, 客員講師 (10420952)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 二次性副甲状腺機能亢進症 / 細胞増殖 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトの副甲状腺を構成するホルモン分泌細胞は細胞分裂頻度が非常に低く、その培養は極めて困難であり、遺伝子導入による不死化細胞株も確立されていない。しかし、副甲状腺機能亢進症の研究を進展させ、その治療法を開発するためには、機能的な副甲状腺細胞培養法の確立は必須である。本研究では、ヒト副甲状腺細胞株の樹立を可能とする、培養ヒト副甲状腺細胞の増殖手法の開発を目的として、ヒト過形成副甲状腺の遺伝子発現調査を行い、以下の成果を得た。 (1)過形成副甲状腺で発現するマイクロRNAの網羅的な調査より、同じ患者から摘出された大きさの異なる副甲状腺間で発現に差のあるマイクロRNAのうち、大きな過形成腺で発現の高いものについて解析した。これらのマイクロRNAの定量的RT-PCRとin situ hybridizationにより、過形成副甲状腺の結節での強い発現が確認され、培養副甲状腺細胞へのマイクロRNA-inhibitor/mimicの導入により、細胞増殖関連遺伝子などの発現調節に関わっていることが示された。 (2)ヒト副甲状腺ではホルモン産生細胞のほとんどはG0期にあるが、二次性副甲状腺機能亢進症の治療薬であるカルシウム受容体作動薬の処方により、細胞周期への復帰が促進される。この時、細胞をG0期に留め置く役割を持つp27Kip1の発現低下と、細胞周期からG0期への移行を阻害するc-mycを発現亢進する細胞の増加が観察されるが、c-mycの過剰発現はアポトーシスの促進も亢進してしまう。この過程で、Myc Associate factor X (MAX)とc-mycのヘテロダイマー形成がアポトーシスの防止に関わっている可能性を示すデータが得られており、MAXの発現亢進により細胞周期を維持できる可能性が考えられた。 今後、これらの成果よりヒト副甲状腺の細胞株樹立のための手法を開発する予定である。
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