2018 Fiscal Year Annual Research Report
Brain network for verbal memory: behavioral and electrophysiological investigation of the relationships between the hippocampus and cerebral cortex
Project/Area Number |
16K09723
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
臼井 桂子 札幌医科大学, 医学部, 講師 (60402872)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長峯 隆 札幌医科大学, 医学部, 教授 (10231490)
井上 有史 独立行政法人国立病院機構(静岡・てんかん神経医療センター臨床研究部), その他部局等, その他 (80374164)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 記憶機能 / 視覚誘発電位 / 聴覚誘発電位 / 事象関連電位 / 言語関連電位 / 記憶関連電位 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト固有の脳機能である言語を介在した情報の記憶に焦点を絞り、①記憶の取り込み(符号化)、②貯蔵、安定化、③再生・再認の3局面を念頭に脳内機構の研究を実施した。最終年となる平成30年度は、(1) 記憶の取り込み・貯蔵における側頭葉内部構造の役割について、海馬と扁桃体で関与が異なることを見出した。てんかん外科手術24症例(難治性側頭葉てんかん)を対象として、手術前のポジトロン・エミッション・トモグラフィ(PET)による脳機能画像解析と、手術前・手術後の神経心理学的指標を用いた記憶機能評価を組み合わせて統計解析を行い、従来情動を司るとされてきた扁桃体に、ワーキングメモリに関与する機能が存在することを見出した(論文発表、Usui, K, et al, 2018)。(2)初年度から取り組んできた視覚言語情報処理、聴覚性言語情報処理に関して、後頭葉、側頭葉、前頭葉それぞれにおいて潜時および分布の異なる誘発電位を見出し、情報処理ネットワーク構築に資する知見を得た。てんかん外科手術前検査のために頭蓋内に硬膜下電極を留置された2症例(難治性症候性部分てんかん)において、本研究者自主開発の視覚課題、および、聴覚課題を用いて総計約140箇所の電極から事象関連誘発電位を記録し、これまでの研究結果と合わせて国際学会において報告を行った(国際学会招待講演)。 研究期間全体を通して実施した電気生理学、画像診断学、神経心理学的探索を通じて、後頭葉~側頭葉を主体とする視覚言語処理機構、側頭葉を主体とする聴覚言語処理機構を明らかにすることができた。さらに、視覚刺激課題・聴覚刺激課題を併用したことにより、両者に対して共通に誘発され、記憶に関与する可能性のある電位を前頭葉から抽出することに成功し、脳内情報処理機構ネットワークの部分的構築を達成した。
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Research Products
(3 results)